2011年8月31日水曜日

もうくたくた…

月曜から学校のセッションのためにルストに入っています。
昨晩はワインアカデミーの20周年記念式典中に、会場のゼールストホテルに、日本からのオーストリアワイン大使達が偶然宿泊する、という奇遇。誇らしく大使達をお迎えしました。
今日は一日コンスタンティノス・ラザラキスMWの講義。朝8時から6時半まで、みっちり12時間!!!
もうクタクタです。
本当は報告したいことがいっぱいですが、そもそも先週の金曜から飲み続けの上に。テイスティング漬け。授業セッションの終わる今週末まではこても更新に手がつけられそうにありません。
お許しを…。

2011年8月29日月曜日

哲学者夫妻と三重奏ユニット結成?

一昨日土曜夜から哲学者で”Austria Wine"の著作もあるフィリップ&小説家ヴェロニカブロム夫妻がお城に滞在。この二人、音楽が大好きでフィリップはヴァイオリンを、ヴェロニカはピアノを弾く。
居間のベーゼンドルファーでモーツアルトのヴァイオリン協奏曲を奏でるのが聴こえたてきたので、お邪魔させてもらった。
譜めくりを手伝うと、ベロニカから「ねえ、いつまでここに居るの? 私チェロも弾けるので、3重奏しましょうよ」との申し出。おお、それは楽しそうだ!

しかもお昼を食べながら、今度は「アマチュア・クアイアー(合唱団)もやってるので、あなたもメンバーよ。合唱団の名前はバックヘンデル(鶏の唐揚みたいな、典型的ホイリゲ料理。焼くを意味するbackenを短縮したバックとBachを掛けたもの)っていうの。レパートリーはバッハとヘンデルが多いし、それに練習の後に食べるのは簡単で美味しい料理が多いので、一番よく食べる料理に因んだ、ってわけ」
このおばはん、言うことが実におもろい!

昼から飲み続け。向かって右のファルツのワインの名前に注目。Saumagen(ファルツ名物、ザウマーゲン。豚の腸の肉詰め超極太ソーセージ、といったらいいか。転じて「鉄の胃袋」の意。鉄の胃袋を持ったヒトのための、ワインという意味?
正面がジョークの冴え渡るベロニカ。


ヒルシュ受賞パーティーにて。不思議なスピーチを固い抱擁で締めるのは、ヴァッハウのエメリッヒ・クノル。
昨日はご近所ワイナリーヒルシュのファルスタッフ誌2011年度ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー受賞パーティーもありましたが、その様子の写真はfacebookをご覧下さい。午後からルストに向かわねばならないのに、まだ、なんだかお酒が残っていい気持ち:)…

2011年8月27日土曜日

ホイリゲにて。ヤウゼの底力に感服!

昨晩は夕方から家族で、シュロス・ゴベルスブルクの栽培&醸造長を務めるカーナーさんの実家のホイリゲ(=自家製の食事とワインを供する居酒屋)に行ってきました。St Poelten近くの本当に小さな村の素朴なホイリゲです。

いやあ、おいしかった! オーストリアの食の豊かさは、ハプスブルク由来の宮廷料理もさることながら、庶民の通う、こういうなんでもない店にこそあるのかも。

写真でお見せできないのがとても残念ですが(カメラ持っていったのにメモリーカードが入っていませんでした。私の人生、いつもそんなもんです 涙)、食べたのは所謂ヤウゼ(Jause)とよばれる、火を通さない典型的なホイリゲのおつまみ料理の数々。多種類のハムやソーセージ(といってもフランクフルトのようなものではなく、もっと太くて大きいのをハムのようにスライスして供します)、野菜のマリネ、チーズ、これまた多種類のパテやディプ・クリームの類などなどです。

中でも私のお気に入りはブラーテン・フェット(Braten Fett 直訳すると焼いた脂)、こちらの方言ではブラードルとよばれる豚の脂のラード状になったもの。脂100%と聞くと一瞬ひるむのですが、これがなんとも、脂の甘さと、何のスパイスを使っているのか不明ですが、ちょっと醤油を思わせるような旨みが凝縮して、えも言われぬおいしさ。ブラーテン(焼く)と言うからには、悪い油を火にかけて落として落として、美味しいところだけを残しているのでしょう。パンに塗って、あるいはそれだけをペロペロ舐めながらワインを飲むのに最適です。

もうひとつ、これはホテルの朝食ビュッフェなどでも必ず出るものですが、リップタウアー(Liptauer)という、チーズディップにようなもの。ベースはホイップしたバターとクリームチーズで、そこにパプリカやらハーブやら…入れるものでオレンジ、緑、クリーム色、と色とりどり(と言ってもオーストリアらしく、極彩色ではなく、淡いパステルカラー)。シュロス・ゴベルスブルクきってのグルメ、マーケティング担当のフレディによれば、使うバターの品質とホイップの仕方で味の全てが決まる、のだそうで、確かにどーでもいいものから、驚くほど美味しいものまであって、私のオーストリアでの宿泊ホテル選択の、隠れたプライオリティにもなっているほど。

ワインは酸とミネラル、アプリッコットのような楚々とした果実味が主体の、本当に清らかでシンプルなもの。乾いた夏の戸外で飲むのに、こんなに美味しいものはありません。特に日のあるうちはG'spritzer(シュプリッツァー)、つまりワインと炭酸水を半々にして割って、文字通りガブガブ飲むのが最高です。
そして当然と言えば当然なのですが、ワイン農家の作るトラウベンザフト(Traubensaftブドウジュース)は、激旨。ウェルチのベタベタ甘いブドウジュースに慣れた舌には、ブドウジュースのレーゾンデートルがひっくり返るくらい新鮮です:) 酸が高いので、味わいに立体感が出るのは、ワインと何ら変わるところがありません。

最後に驚くのが価格。東京のワインバーだったら、2-3千円の前菜になりそうな皿の数々が、大体2~5ユーロ。ほとんどが4ユーロ前後なのです。あまりの出血価格ですから、パンも有料で、お勘定の際、どのパンを何枚食べたか一応申告することになっています。ただ、散々飲んだ後に誰もそんなこと覚えていないのが普通ですが。

ちなみに本日のお勘定、ワイナリーで働く人達なども含め、こちらは総勢11人。飲みはほとんどシュプリッツァー止まりで控えめたっだとはいえ、全部で110ユーロちょっと。当主ミヒャエル持ち。ご馳走さまでした!

常々オーストリア人はドイツ語を喋るイタリア人だと思っているのですが、庶民の食の、この質の高さとこの安さ! やっぱりすごいぞ、オーストリア!!

ホイリゲで料理とワインを甲斐甲斐しく運ぶカーナーさんを見て、こんなに美味しい料理とワインを供する家に生まれ育った彼の手になるシュロス・ゴベルスブルクのワインが、美味しくないはずはない、と妙に納得。ウチのワインの真っ直ぐで懐の深い温かさの秘密が、ひとつ解けたような気がして、お腹も心も本当に満足な夜でした。

2011年8月26日金曜日

あーつい!

今日も37度まで気温が上がっているそうです。
午前中メルデツェッテルという居所証明のようなものをラートハウス=町役場に提出して来ました。 帰りに銘醸畑ハイリゲンシュタインまで寄り道しようかと思いましたが、畑で作業をしている様子もないし、何せこの熱さだし、ということで真っ直ぐ帰宅。
日本と違いカラっと乾いているので、日陰に入れば楽ですが、湿り気がなく汗が出ない分、日光に晒されていると、体への負担はむしろ大きい、ということがこの2-3日でわかったので。

今日の昼食はズッキーニのスープにゲロイシュテット・クヌードゥル(直訳すると団子炒め、か。残り物のクヌードゥルを炒めた、お焼きみたいなもの)。

写真は、ウチの裏手の道から北にハイリゲンシュタイン(奥に見える横に長い丘)を望むお気に入りの眺め。愛チャリの後ろに玉蜀黍が植わっているのが見えますが、こちらではこうした平地にブドウは植えません。
 お昼のオーストリア風お焼き。お腹は膨れますが、すぐ空く…。
午後はWi-fiもLANもないものの、北向きで涼しい自室で仕事しま~す!

2011年8月25日木曜日

ブロク、再スタート!

4月からこのお城に住み着いているのですが、facebook, twitter, mixiなどなど、一体どこに滞在報告をするのか、と迷いつつ、また身辺雑事に追われつつ、7月の帰国を挟んで、足掛けもう5ヶ月近い。ああ、何もできてないなぁ、とちょっと反省…。
ということで、あまり気張らず、毎日の個人的メモのつもりで再スタートさせます。

手始めに毎日の食事をざっとご紹介しますね。

朝は毎日パンかシリアルを自由に選んで食べます。食パン、ゼンメルと呼ばれるこちらの名物の軽いパン、黒パン数種…、と日によって色々ですが、私はほとんど黒パンとゼンメルのみ。
一枚にバター&ハチミツ、もう一枚にはバター&お手製のアプリコット・ジャムをつけるのが定番となっています。飲み物はミルク、紅茶かジュース。

昼は通常、スープと肉のメインの2コースですが、2コース目は魚になったり、こちらによくあるメインとお菓子の折衷のような粉ものだったり、パスタだったり、と色々です。
例えば、日曜は牛Tボーンのグリル(豪快に暖炉で当主ミヒァエル自ら焼きます)、月曜が豚のローストにクヌードル(団子)、火曜は確かセモリナ団子にリントズッペ(ビーフコンソメ)の後…さて、何の肉だったか…、水曜はリントズッペの角切り肉&野菜入りに細いヌードル、それにトプフェン(クリームチーズ)パラチンケン(薄い小麦粉のパンケーキ)、木曜(今日)は、冷たいトマトスープの後に、近くのナーサリーからもらった古代種のトマトのパンプキンシードオイル添えサラダ、そしてチキン・グーラ-シュ(ニョッキつき)でした。
時間に余裕があると、各自がコーヒーマシンで好みのコーヒーを淹れます。私はミラノ風(メレンゲ)がお気に入り。

夜はほとんど朝食べるパンと残り物、ときどき野菜、という感じ。非常に軽いです。

ところで、こちらのヒトは濃い飲みものを嫌います。例えば100%果汁のジュースなどは、必ず水で割って飲むんです。この軽さ愛好は音楽にも表れていて、週末に聴いたこちらで人気のピアニスト、ブーフビンダー氏のベートーヴェンは、モーツアルト?と言うくらい芯はあるけれど明瞭で、軽やかな音でした。

では、今日のところは、この辺で。
来月2日頃から収穫の予定される畑の報告なども、これからボチボチして行きますので、お楽しみに!


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