2010年4月22日木曜日

11th April Grenache Feast @Chez Toku

私のグルナッシュ・シンポ招待のニュースに、T先生が希少な最高峰グルナッシュを開けて勉強させて下さいました。この日はシェフとしても大大活躍のT先生でありました。

1. Pierre Peters Champagne Perle du Mesnil NV
レモニーでフレッシュな酸。スッキリ系だが余韻にキャンディー的軽やかな甘味。
⇒アサリのシャンパン蒸しと合わせて。空腹に染み渡る美味しさ!

2. Ravneau Chablis 1er Butteaux 93
かなり熟成の入った黄金色、熟成をうかがわせる蜜と、緻密なミネラルの入り混じる魅惑的な香り。非常に高いのだが攻撃的にならない、品のいい酸が、口中にぐんぐんと湧き出す。味わいは熟成したモンラッシェ並みに奥行きと幅があるが、酸の透明感とテンションはやはりシャブリならでは。冷やしてサーブしたが、室温の方が美味しい。
⇒タイのソテー、筍の香草添え、アサリのシャンパン蒸しで出た出汁にニンニクとベルモット、醤油を加えたソースで。このソースが、深みのあるシャブリに抜群の相性。パンもワインもどんどん進みます。

3. Nicola Potel Selection Clos de Vougeot 85
まさしく森の下草のシーンとした香り。どちらかと言うと静かで深い、ヴォーヌ・ロマネ的印象。いい熟成をしていながら、時間経過、温度上昇とともにジュクジュクと熟れたり淫らに崩れたりということのないワイン。まだ10年くらいは十分楽しめそう。
⇒ここでChez Toku特製ひと口寿司エルブジ風の登場。大トロをオーリーヴオイル、ガーリックパウダー、醤油でマリネし、酢飯はバルサミコとオリーヴオイルで。トッピングに塩昆布のみじん切りを載せるのがポイント。いや、これが本当に美味しい! またまたワインが進み、何せ6人中一人はあまり飲まないため、グルナッシュにかかる前にすっかりご機嫌となる私…こんなことでいいのか!

4. Chaptier Chateauneuf du Pape Barbe rac 99   (100% Grenache)
若いグルナッシュの、私的にはクレヨンのような、T先生的にはイチジクの樹液のような、おそらくユニヴァーサルにはガリークに喩えられる生々しい樹脂的な香りが苦手だ。このワインはなんとかその生々しさを免れてはいるものの、まだまだ若い。タンニンも酸も中位で、特に支配的な果実味もないが熟成香もまだあまり出ていない。しかし口に含むとシャプティエのヴァン・ド・パイユにも通じる独特の旨みが湧く。パワーと濃厚な旨みの向こうに透明感があると思ったら、やはり石ころの下層の土(それがまた2層に分かれた下方の土)は、クロローシスの原因になるほど石灰が多いとのこと。さらに詳しく知りたい人はhttp://www.chapoutier.com/gb/vins/fiche-terroir-chateauneuf-la-barberac-rouge.cfm?id=2へどうぞ。土の組成について詳細な説明があります(写真はサイトより、Barbe racの畑)。

なるほど、石灰土壌でしか出せない緻密なテクスチャーと余韻のエネルギー感と伸びが素晴らしい。
⇒ここで骨付き地鶏のトマト煮込み。ワインの重さと料理の旨みがどんぴしゃり。しかし投入したスパイスなどについては、既にお酒が回っており、失念。
ところで、このワインをシラー、チューリップ、ブルゴーニュ、ボルドーの形状や大きさの異なる5種のグラスで違いを飲み比べたが、面白いことにシラーグラスではペパリーなスパイスが、ブルゴーニュでは甘さが(そして多少緩い感じに)強調され、そしてボルドーではそつなくキレイにまとまる、という事実を発見。

5. Domaine Marcoux Chateauneuf du Pape Domaine & Selection 04   (Grenache, Mourvedre, Syrach, Cinsault)
凄いパワー! 例の苦手な香りも健在。強い!っと思ったらアルコール15%ありました。並々ならぬ緻密なテクスチャーと隙のない構成感を持つ、10年以上とっておくべきワイン。

6. Henri Benneau Chateauneuf du Pape Reserve des Celestins 92   (Grenache 90+%, Mourvedre, Counoise and Vaccarèse)
本当に貴重なワインを開けていただきました。外観にも、しょうゆや枯葉の香りにも熟成がうかがわれる。スルっと入るのだが、口中で温かさが充満し、ぴたーっと甘いカラメル風味とともに吸い付く感じ。後に舌の横下にペパー風味の重量感が加わり、余韻は非常に長く、ミント系の薬草風味を伴う。92年というのは決して南ローヌは良昨年ではないようだが、これはもの凄いエネルギー感の傑作。品種構成は不明だが、グルナッシュ100%とは違うニュアンス。最後に澱上の部分をいただいたが、吸い付くタンニンと滋味は、まるで上質の漢方薬。旨みの塊のよう。今まさに最も美味しいお飲み頃だが、あと10年はピークを保つだろう。

7. Henri Giraud Code de Noir NV
オシャレなボトル。外観にもblanc de noirの痕跡がはっきり。梅紫蘇、蜂蜜、柑橘、ヴァニラの後にビターな余韻。イチゴショートといただきましたが、CNPのアルコールが高かったせいか、最初のペースが速かったせいか、かなりの酔っ払い。ただただひたすら幸せな気持ちでした!