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2012年8月28日火曜日

シェーンベアガー創立20周年記念イベント その2@ノイジードラーゼー テイスティング・クルーズ

シェーンベアガー創立20周年イベントの第一部は、テイスティング・クルーズ。
2時間あまりかけて、ノイジードラーゼーをゆっくり一周します。
この船に乗り込んで2時間余りのクルーズ
波止場を後にしたところ
その間、一家の庭や畑で獲れたフルーツやナッツ、骨付き足1本のハムにパン、そして勿論ワイン、ビールが飲み放題! しかもワインはカレント・ヴィンテージ全種(20種近い)を、何杯でもお代わり可。


家族4人でサービスに大忙し。
語りはご挨拶のみ。ワインについての細かい説明などは一切なし。

何せ周囲は家族、仲間同士かカップル。単独参加のプリンセスは最初ちょっと寂しい思いをしましたが、天気はいいし、ワインは美味しいし、私をバス停まで迎えに来てくれた、ギュンターの親友エルマーと、彼が何度も仕事で訪れた池袋の話で盛り上がり…本当に気持ちのいい時間を過ごしました。
メアビッシュ名物の肉粒を練りこんだパン。
畑のブドウ、洋ナシ、奥がマンデル
マンデル=アーモンドの生。食べたことありますか?
こうして殻と皮を剥いて食べます。上質の杏仁豆
腐やマジパンが持つ、魅惑的な香りが口中に。
ただ、ひとつだけ困ったことが…。
業界向けイベントと異なり、ここには吐器がありません。皆どんどん豪快にお気に入りのワインを楽しそうに空けて行く中、予備のグラスをひとつもらってペッペと吐き出す、などという不調法は憚られます。
プリンセス、それでも当然全種試したい訳ですが、いくら「ほんの少し」と言っても、普通のテイスティング量の2倍以上は注がれますから、全種制覇してしまったら、ディナーの前に立てなくなることは必須。そこで、白はスタンダードなキュヴェと、取材時に良かったブルゴーニュ系に狙いを定め、赤のプレミアム・クラスはディナーでのお楽しみとし、クラシッククラスからを試すことにしました。この作戦、実はディナーに現行ヴィンテージはクラシック・クラスしか出されず、裏目に出ることにります。
シュタイヤーマーク産ハムに西洋ワサビを
たっぷり添えて。実に美味。
最初は自動的に注がれたグリューナー。面白いことにこの辺りのGVは全然スパイシーでもペパリーでもない。個性がなくてつまらないとも言えますが、こういう暑い日、戸外で冷やしたのを出されると、思わずゴクっと一息に飲んでしまいます。美味しい!
ピノ・ブランは前回の取材同様、ミネラルがキリっとしていながらカリカリ硬いところは全くなく、「ああライタベアクの味だな」と、プリーラーあたりとの共通点を感じていました。とても魅力的です。シャルドネも、ピノ・ブランより一歩ブライトで、一歩ストラクチャーも大きく、オーストリアならではのシャルドネに仕上がっていました。これもなかなかいい。

赤に移って、ハムを食べながらブルゲンラント・ロートのツヴァイゲルトからブラウフレンキッシュ、ブラウフレンキッシュ クラシーク、ブラウフレンキッシュ クレーフテン、と試して行きました。普通一番ベーシックな赤は、ツヴァイゲルトの方が飲めたりする場合が多いのですが、ここのベーシック・クラスのブルゲンラント・ロート ブラウフレンキッシュは、攻撃的なところの一切ない、なかなか包容力のある味わい。けれどクラシックには、ブルゲンラント・ロートにはない、官能的で複雑な風味が混ざり、余韻も長い。格の差を見せつけます。

そして船を下りる直前に単一畑であるBFクレーフテンを所望。やはりVieVinumで感じた通り、果実味を覆い隠すような過剰で重いタンニンはなく、キチっとミネラル感もあるので、味わいがダレません。このワイナリーの赤は、fine tunedという感じとは正反対の、よく言えばナチュラル、悪く言えばちょっと風味に垢抜けないところがあります。全赤ワインに共通する、フィニッシュに出る蒸した小豆のようなニュアンスが、そう感じさせるのでしょう。このほかほかしたニュアンスが大好き、というヒトも結構多いはず。所謂ビオ臭と称される不快な還元香では全くありません。


帰りはキャナルを通って。周辺は公園のようになっています。
なんだかんだ言って、クルーズ中にほぼ1本くらいのワインを体に入れてしまいました : )
西に傾いた陽を浴びて、プリンセスがとっても幸せな気持ちになっていたのは言うまでもありません。
これまでも数回ルスト=イルミッツ間のクルーズを経験しているプリンセスですが、細長いノイジードル湖を東西に突っ切るだけより、メアビッシュ発着でグルリ一周の方が、沢山ワインも飲めるし、景色も多彩に変わるし、より楽しいことを発見。
三々五々船を降りる参加客。
飲み放題でも騒いだり、乱れるヒトが皆無なのは立派。
さて、明日は船を降りて町に戻り、小一時間後に始まったディナーの様子です。

2011年10月28日金曜日

ゴベルスブルク@日の出前

ようやく天気も回復基調? うーん、雨こそ降っていませんが、お日様はまだ顔を出しません。

今日こそシュタインセッツSteinsetzの収穫かな? …と楽しみに6時45分、収穫隊集合場所に降りてみると、あまりに日の出が遅く暗いので、スタートは7時15分に遅らせるとの指示。しかも予定より半日雨の上がるのが遅れた影響で、今日の収穫はまだノインツェーンヨッホ畑だそう。
もうこの畑は、リースリングとグリューナーの2度も収穫を体験しているので、プリンセスは明日土曜、休日出勤で収穫に参加することとします(でも、それでお庭掃除ができないと、お婆ちゃんオカンムリかしら…)。

ところで、通常ブドウ畑の労働者は土日休みですが、収穫期には土曜出勤。天候の都合で止むを得ない場合は、日曜祭日の出勤も有り得ます。でも彼らは日当払いですから、まあ、文句はない模様。寧ろ気になるのは、待機してい、て雨が降ったりの理由で中止になったときの支払いはどうなるのか。因みに未習熟労働者の時給は€5

せっかく早起きしてしまっているし、一旦家族用の門を出てしまうと、鍵の都合で、お城に入るには5分くらいかけて表門まで廻らねばならないので、今日は早朝のゴベルスブルクのメインストリートをご案内しましょう。
お城の正門を出たところ。オレンジ色の壁に黄色に色づいた木々の葉が映え、晩秋の趣を感じます。
真っ暗な町にぽっかり浮かぶ明かりはパン屋さん。上の写真の右手の白い家を右に降りていったところにあります。
千人程度の人口しかないこの町には、とにかくモノを買えるお店はこのパン屋さん一軒のみ(飲み屋=ホイリゲは私の知る限りでも3-4軒あるところが、また土地柄)。因みにお城の門のすぐ右手下方にあります。一度6時前に行ったらもう開いていたところを見ると、5時前後には店開きをしている模様。こちらのヒトは本当に早起きです。
収穫に出る泥だらけのズボンと長靴というコキタナイ格好で店に入り、「すぐ前のお城に住んでるワインジャーナリストなんだけど、ちょっと写真撮らせてね」とお願いし、店内をササっと写真に収めました。
汚れた靴を詫びると、「気にしないで」とニッコリ。田舎のヒトはウィーンっ子と違い、実に感じがいい。
ド田舎のパン屋さんにしては、なかなか充実。パンは少なくとも20種類はあるでしょう。
他にコーヒー、紅茶、ジュース、POP飲料、バター、ミルクやチーズなどの乳製品も揃っています。
どこへ行っても驚くのがハム、ソーセージの充実ぶり。安くてしかも美味しいです。
下段のケースに入っているのはケーキ類。買ったことはありませんが、なかなかイケそう。
ちゃんとイートイン・コーナーまであります。一度お茶でもしてみようかしら?
ゴベルスブルクの町も我がお城も、まだ朝霧に煙っています。
教会の尖塔の霞む様子もなかなかロマンティックでしょ。
因みに私の部屋は、映っている右下の部屋の丁度裏側になります。

2011年9月17日土曜日

落穂拾いもまた楽し


9月17日(土) 
秋になって、プリンセスは週末の午前中はお城の庭の落ち葉掃除を仰せつかっています。
芝生に落ちた枯葉を熊手で芝を痛めないように集め、同様に石畳の通路や中庭は、長い柄つきのブラシで落ち葉を集め、ブドウの収穫カゴと同じものに一旦入れ、後でまとめて捨てる、というお仕事。
お城の敷地は広いですから、これだけでみっちり2時間半から3時間の作業です。正直最初は、翌日腰が痛くなりました:)
でも、プリンセスはこういう肉体労働が意外に好きです。労働の跡が目にはっきり見えるところも気に入っています。
それに、この落穂拾いには、実はもうひとつの役目があるのです。それは庭に数本植えられた胡桃の実の収穫です。今日だけで20個近く拾ったでしょうか。
割れているのを食べてみましたが、さすがに自然に落ちるまで木についていた実は、生理学的熟成も十分:)で、生でも十分な美味しさ!
こうして拾った胡桃は、集めておいて後からハンマーで叩き割り、中味はケーキに、サラダに、そしてシュナップスに漬け込んでリキュール(これがとーっても深みのある大人の味わいで、クリームなどに混ぜると絶品!)に、と大活躍します。

2011年8月27日土曜日

ホイリゲにて。ヤウゼの底力に感服!

昨晩は夕方から家族で、シュロス・ゴベルスブルクの栽培&醸造長を務めるカーナーさんの実家のホイリゲ(=自家製の食事とワインを供する居酒屋)に行ってきました。St Poelten近くの本当に小さな村の素朴なホイリゲです。

いやあ、おいしかった! オーストリアの食の豊かさは、ハプスブルク由来の宮廷料理もさることながら、庶民の通う、こういうなんでもない店にこそあるのかも。

写真でお見せできないのがとても残念ですが(カメラ持っていったのにメモリーカードが入っていませんでした。私の人生、いつもそんなもんです 涙)、食べたのは所謂ヤウゼ(Jause)とよばれる、火を通さない典型的なホイリゲのおつまみ料理の数々。多種類のハムやソーセージ(といってもフランクフルトのようなものではなく、もっと太くて大きいのをハムのようにスライスして供します)、野菜のマリネ、チーズ、これまた多種類のパテやディプ・クリームの類などなどです。

中でも私のお気に入りはブラーテン・フェット(Braten Fett 直訳すると焼いた脂)、こちらの方言ではブラードルとよばれる豚の脂のラード状になったもの。脂100%と聞くと一瞬ひるむのですが、これがなんとも、脂の甘さと、何のスパイスを使っているのか不明ですが、ちょっと醤油を思わせるような旨みが凝縮して、えも言われぬおいしさ。ブラーテン(焼く)と言うからには、悪い油を火にかけて落として落として、美味しいところだけを残しているのでしょう。パンに塗って、あるいはそれだけをペロペロ舐めながらワインを飲むのに最適です。

もうひとつ、これはホテルの朝食ビュッフェなどでも必ず出るものですが、リップタウアー(Liptauer)という、チーズディップにようなもの。ベースはホイップしたバターとクリームチーズで、そこにパプリカやらハーブやら…入れるものでオレンジ、緑、クリーム色、と色とりどり(と言ってもオーストリアらしく、極彩色ではなく、淡いパステルカラー)。シュロス・ゴベルスブルクきってのグルメ、マーケティング担当のフレディによれば、使うバターの品質とホイップの仕方で味の全てが決まる、のだそうで、確かにどーでもいいものから、驚くほど美味しいものまであって、私のオーストリアでの宿泊ホテル選択の、隠れたプライオリティにもなっているほど。

ワインは酸とミネラル、アプリッコットのような楚々とした果実味が主体の、本当に清らかでシンプルなもの。乾いた夏の戸外で飲むのに、こんなに美味しいものはありません。特に日のあるうちはG'spritzer(シュプリッツァー)、つまりワインと炭酸水を半々にして割って、文字通りガブガブ飲むのが最高です。
そして当然と言えば当然なのですが、ワイン農家の作るトラウベンザフト(Traubensaftブドウジュース)は、激旨。ウェルチのベタベタ甘いブドウジュースに慣れた舌には、ブドウジュースのレーゾンデートルがひっくり返るくらい新鮮です:) 酸が高いので、味わいに立体感が出るのは、ワインと何ら変わるところがありません。

最後に驚くのが価格。東京のワインバーだったら、2-3千円の前菜になりそうな皿の数々が、大体2~5ユーロ。ほとんどが4ユーロ前後なのです。あまりの出血価格ですから、パンも有料で、お勘定の際、どのパンを何枚食べたか一応申告することになっています。ただ、散々飲んだ後に誰もそんなこと覚えていないのが普通ですが。

ちなみに本日のお勘定、ワイナリーで働く人達なども含め、こちらは総勢11人。飲みはほとんどシュプリッツァー止まりで控えめたっだとはいえ、全部で110ユーロちょっと。当主ミヒャエル持ち。ご馳走さまでした!

常々オーストリア人はドイツ語を喋るイタリア人だと思っているのですが、庶民の食の、この質の高さとこの安さ! やっぱりすごいぞ、オーストリア!!

ホイリゲで料理とワインを甲斐甲斐しく運ぶカーナーさんを見て、こんなに美味しい料理とワインを供する家に生まれ育った彼の手になるシュロス・ゴベルスブルクのワインが、美味しくないはずはない、と妙に納得。ウチのワインの真っ直ぐで懐の深い温かさの秘密が、ひとつ解けたような気がして、お腹も心も本当に満足な夜でした。

2011年8月26日金曜日

あーつい!

今日も37度まで気温が上がっているそうです。
午前中メルデツェッテルという居所証明のようなものをラートハウス=町役場に提出して来ました。 帰りに銘醸畑ハイリゲンシュタインまで寄り道しようかと思いましたが、畑で作業をしている様子もないし、何せこの熱さだし、ということで真っ直ぐ帰宅。
日本と違いカラっと乾いているので、日陰に入れば楽ですが、湿り気がなく汗が出ない分、日光に晒されていると、体への負担はむしろ大きい、ということがこの2-3日でわかったので。

今日の昼食はズッキーニのスープにゲロイシュテット・クヌードゥル(直訳すると団子炒め、か。残り物のクヌードゥルを炒めた、お焼きみたいなもの)。

写真は、ウチの裏手の道から北にハイリゲンシュタイン(奥に見える横に長い丘)を望むお気に入りの眺め。愛チャリの後ろに玉蜀黍が植わっているのが見えますが、こちらではこうした平地にブドウは植えません。
 お昼のオーストリア風お焼き。お腹は膨れますが、すぐ空く…。
午後はWi-fiもLANもないものの、北向きで涼しい自室で仕事しま~す!