2時間あまりかけて、ノイジードラーゼーをゆっくり一周します。
この船に乗り込んで2時間余りのクルーズ |
波止場を後にしたところ |
家族4人でサービスに大忙し。 |
語りはご挨拶のみ。ワインについての細かい説明などは一切なし。 |
何せ周囲は家族、仲間同士かカップル。単独参加のプリンセスは最初ちょっと寂しい思いをしましたが、天気はいいし、ワインは美味しいし、私をバス停まで迎えに来てくれた、ギュンターの親友エルマーと、彼が何度も仕事で訪れた池袋の話で盛り上がり…本当に気持ちのいい時間を過ごしました。
メアビッシュ名物の肉粒を練りこんだパン。 |
畑のブドウ、洋ナシ、奥がマンデル |
マンデル=アーモンドの生。食べたことありますか? |
こうして殻と皮を剥いて食べます。上質の杏仁豆 腐やマジパンが持つ、魅惑的な香りが口中に。 |
業界向けイベントと異なり、ここには吐器がありません。皆どんどん豪快にお気に入りのワインを楽しそうに空けて行く中、予備のグラスをひとつもらってペッペと吐き出す、などという不調法は憚られます。
プリンセス、それでも当然全種試したい訳ですが、いくら「ほんの少し」と言っても、普通のテイスティング量の2倍以上は注がれますから、全種制覇してしまったら、ディナーの前に立てなくなることは必須。そこで、白はスタンダードなキュヴェと、取材時に良かったブルゴーニュ系に狙いを定め、赤のプレミアム・クラスはディナーでのお楽しみとし、クラシッククラスからを試すことにしました。この作戦、実はディナーに現行ヴィンテージはクラシック・クラスしか出されず、裏目に出ることにります。
シュタイヤーマーク産ハムに西洋ワサビを たっぷり添えて。実に美味。 |
ピノ・ブランは前回の取材同様、ミネラルがキリっとしていながらカリカリ硬いところは全くなく、「ああライタベアクの味だな」と、プリーラーあたりとの共通点を感じていました。とても魅力的です。シャルドネも、ピノ・ブランより一歩ブライトで、一歩ストラクチャーも大きく、オーストリアならではのシャルドネに仕上がっていました。これもなかなかいい。
赤に移って、ハムを食べながらブルゲンラント・ロートのツヴァイゲルトからブラウフレンキッシュ、ブラウフレンキッシュ クラシーク、ブラウフレンキッシュ クレーフテン、と試して行きました。普通一番ベーシックな赤は、ツヴァイゲルトの方が飲めたりする場合が多いのですが、ここのベーシック・クラスのブルゲンラント・ロート ブラウフレンキッシュは、攻撃的なところの一切ない、なかなか包容力のある味わい。けれどクラシックには、ブルゲンラント・ロートにはない、官能的で複雑な風味が混ざり、余韻も長い。格の差を見せつけます。
そして船を下りる直前に単一畑であるBFクレーフテンを所望。やはりVieVinumで感じた通り、果実味を覆い隠すような過剰で重いタンニンはなく、キチっとミネラル感もあるので、味わいがダレません。このワイナリーの赤は、fine tunedという感じとは正反対の、よく言えばナチュラル、悪く言えばちょっと風味に垢抜けないところがあります。全赤ワインに共通する、フィニッシュに出る蒸した小豆のようなニュアンスが、そう感じさせるのでしょう。このほかほかしたニュアンスが大好き、というヒトも結構多いはず。所謂ビオ臭と称される不快な還元香では全くありません。
帰りはキャナルを通って。周辺は公園のようになっています。 |
西に傾いた陽を浴びて、プリンセスがとっても幸せな気持ちになっていたのは言うまでもありません。
これまでも数回ルスト=イルミッツ間のクルーズを経験しているプリンセスですが、細長いノイジードル湖を東西に突っ切るだけより、メアビッシュ発着でグルリ一周の方が、沢山ワインも飲めるし、景色も多彩に変わるし、より楽しいことを発見。
三々五々船を降りる参加客。 飲み放題でも騒いだり、乱れるヒトが皆無なのは立派。 |