そうなんです、そういうディナーだったんですよ…って、いえいえ(…と、書きながらも狼狽するプリンセス)…
最初は粛々と始まりました。ギュンターの挨拶、ビュッフェスタイルの前菜とワイン…。
ノイジードラーゼー名物葦で葺いた屋根が牧歌的なレストランで行われました。 |
南(=左側)にあと数百メートルでハンガリー |
右奥のアヒルのフォアグラに左手間のフルーツソースが美味 |
ギュンターを支えてきた家族達。イベント中も大忙し。 |
実はプリンセス、ステージにエレピが置いてあるのを最初から見逃しませんでした。ひょっとして、20年プロのサックス奏者だったギュンターの演奏が聴けるのでは? …という期待が高まります。
…でも、3人の歌う音楽は、ゼーンゼン趣が違うし、第一、クラシック音楽の本場オーストリアとしてはちょっといただけないハモり具合。音楽プロパーのプロとしては悪いけれど失格!…残念ながらプリンセスには歌詞が一部しか理解できないのですが、ときどき笑いをとっています。そして模様眺めをしていると、どんどん様子が際どくなって行きます。喘ぐ、腰を振る、…もうプリンセスにも言葉は必要ありません : )。
この叔父さんの歌はなかなか味がありました |
ハイネやゲーテの詩が替え歌になっていたり、政治ネタもあったりと、意外に文化度高し。 |
ブドウの実の沢山入ったシュトゥルードゥル |
メインがサーヴされると、さっきまでビュッフェの料理が並べられていたテーブルに、今度はシェーンベアガーのオールドヴィンテージやら、ディナー開始後にポツポツと集まってきた親交の深い生産者のワインが並びます。こちらは最初はセルフサービスでした。
まずピノ・ノワール97を飲んでいると、エルマーに「そんな小さなグラスで飲んでちゃダメだ。バーカウンターで大きいのをもらっておいで」と言われ、その通りにすると、しっかりワインをたっぷり注ぎ直されます。長男ヤーコブも大分ワインが回ってきているのか、「君はこれも飲まなくちゃ」「次はこれ」と、プリンセスに選ぶ余地も与えず、その大きなグラスに次々にナミナミとワインを注いでくれます。
そんな訳で、もうただの酔っ払いに成り下がっていたプリンセスではありますが、ちゃんとここに来た問題意識だけは持ち続けていました。
ブラウフレンキッシュ レームグルーベ 97は、熟成して確かに円やかにはなっていますが、取材時に「せっかくのいい果実味を殺している」と思った重いタンニンは健在です。「赤はやっぱり最近の方がいい」と再確認。
一方で白は2000年のグリューナーが美味しいのにビックリ! 実はプリンセス、新樽のタップリかかったグリューナーにも殆ど興味がありませんでした。というより、むしろアンチと言ってよかったでしょう。ところがこのGVは、12年を経た今でも、新樽の痕跡はしっかりありますが、それが見事に果実味&ミネラルに溶け込み、磨き込まれた本当に素晴らしいワインになっています。
「こんなに樽がかかっているのに、こんなに美味しいってどういうこと?」…と、プリンセス、酔いの回った頭でぼんやりと考えていました。そしてまた、このグリューナーが「あるワインに似ている」と、「それが何だったか」と、やはりピンク色に染まった脳みそで幸せな思考を巡らせていました。
---とその時、プリンセスは思わぬヒトと出くわします。ヒント:そのヒトは実はこれまでの写真に登場しています。
…to be continued