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ハイリゲンシュタイナーホーフ。宿付きホイリゲ。 |
東京もここのところ涼しいようですが、こちらも今朝のように曇っていると、8時頃の気温はなんと15度。半袖だと寒いくらいでした。
さて、こちらに戻って1週間。お城ワイナリーも周囲のワイナリーも皆夏休み中ですが、プリンセスは畑の様子が気になって、お散歩がてら日々観察しています。
ご存知Ried Lamm Erste Lage(リート
ラム エアステ・ラーゲ)を見てきたのは7日の午前中。この畑は言わずと知れた
オーストリアを代表するグリューナーのトップ・ヴィンヤードで、
リースリングの銘醸畑Heiligensteinハイリゲンシュタインの麓にあります。
東隣の丘Gaisbergガイスベアク(麓にRennerレンナー畑)とは、遠目にはほとんど『ひと連なり』に見えるのですが、サブソイルの
地層年代が、ハイリゲンシュタイン&ラムは248~290万年前(ペルム紀)なのに対し、ガイスベアク(&レンナーの大部分)は 300~2000万年前(デヴォン紀以前)と、
大きく異なっています。因みにヴァッハウを含むニーダーエスタライヒ一帯で原成岩と呼ばれているものの大部分は後者。ですので
ハイリゲンシュタインの丘に見られる岩石は、この辺りでも非常にユニークな存在です。
この日もいつも通りヒルシュの看板を眺めてラムに東端から入り、ハイリゲンシュタインの丘には登らず、西へ。カンプ川に沿って丘の西端をなめ、橋を渡ってZöbingツェービングの村をくるりと回り、戻って来ました。
では、お散歩コースと畑の様子をご覧いただきましょう。
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まず現れるのがガイスベアク。午前中はこういう低い雲のかかっていること多し。 |
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そしてハイリゲンシュタインの麓、ラムに近づきます。 |
ところで、どのワイナリーも
「やるべきことはやって」から夏休みに入りますから、
休み中の畑の状態を見ると、各ワイナリーの手入れの善し悪し、畑作業のポリシーが透けて見えて実に面白い。ただし、
畑に名札がぶら下がっている訳ではないので、どこの誰がその畑の持ち主なのかわからないところが、悩みの種です。
ね。畝の左右でブドウの手入れ具合や土の色が全然違うのがわかりますか?
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畝の右のブドウ |
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畝の左のブドウ |
ところで
ラムやレンナーは、シュタインセッツ畑と並んで5月の霜の被害が酷かった畑。
いっときは畑を観るのも心が痛みましたが、ブドウって逞しい! もうその痕跡はほとんど残っていません。が、同じ木で妙に葉の色や成長状態が違っていたり、ブドウの実の大きさと色が異なっていたり、というのはおそらく霜の前と後に出た葉(と枝、実)の状態の違いなのでしょう。
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こんな具合に色が違う。 |
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左下の実と右上の実は明らかに成長状態が違います。 |
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枯れた葉は霜の名残でしょうか。 |
畝の左右で手入れの明らかに違う場所がまた見つかりました。どう見ても
右側は手入れ不足です。…で、ブドウを見てみると…。足元の土を見てみると…。
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一見してわかる、右側のブドウの伸び放題加減。 |
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笑っちゃうくらいの収量過多 : ) |
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いかにも青臭そうなブドウ |
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手入れしていないブドウの列の下部。シロウト目にも死んだ土。 |
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ラムの由来であるロームの表土。ちゃんと土起こしをしているとこういう感じ。 |
そうそう、そこそこのサイズのワイナリーはきちんと夏休みを取りますが、家族だけでやっているところは別に決まった休みを取らず、今働いている場合も。本来、結構
雷雨が多く昼の気温の上がる今どきは、ボルドー液や農薬散布の盛んな時期。
トラクターを見かけると大体薬を積んでいました : )。※もっとも、ポリタンクの中身まではわかるわけではありませんが。
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ボルドー液の青も鮮やかな散布跡。この時期ブドウの摘み食いは控えた方が賢明? |
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薬剤散布風景。もっとトラクターが近くに来てから撮ろうかとも思いましたが、農薬だったら体に悪そうなので断念。 |
ザザっと全体を見渡しましたが、
カビはまったくと言っていいくらいついていません。
そしてハイリゲンシュタインの西端からカンプ川を渡り、そのままツェービング村のハイリゲンシュタイン通りに沿ってツぇービング駅へ。
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ヨハネス・ヒルシュに畑で現行犯逮捕された際にコーヒーを奢ってもらった
ガストホーフ グートマン。昼食もお勧めとか。 |
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カンプ川にかかる橋。ハイリゲンシュタインの真西に位置。 |
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ハイリゲンシュタイン通りの踏切。牧歌的。 |
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ツォービングもゴベルスブルク同様無人駅。 |
締めはいかにも健康なグリューナーの写真。
明日はお城ワイナリーの単一畑ベストセラー、シュタインセッツSteinsetzの様子をお届けします。