2012年12月20日木曜日

2012のエアステ・ラーゲン、続々とテスト・ブレンド完了!

お城周辺はすっかり冬景色。
去年もそうでしたが、セラーへ降りるドアが開け放たれ、冬の冷気にタンクや樽を触れさせる時期となりました。
セラー入口には、注意! 発酵中! 生命の危険! と、モノモノしいサイン
そしてケラーマイスターのカーナーさんは今週、遂にエアステ・ラーゲのテスト・ブレンドに着手。
できたてほやほやの赤ちゃんを、プリンセスも昨日試飲させていただきました。

まず、午後にラボで試飲したのはグリューナーの単一畑4種。
グラスが4つ並んでいるだけで、何の表示もありませんから、どれがどの畑かはわからぬ状態での試飲です。

最初のワインは一番ベイビーちゃんっぽいプヨプヨした感じ。
2番目は、はっきり1番目より酸が乗って、この段階でも透明感があり、エレガント。
3番目は多少酸化っぽいレモニーな香味。スルンと口中に入りますが、余韻はスパイシー。どうもチグハグな感じ…、と思ったら、これだけ2日前のブレンドで大分時間が経っている、とのことで納得。
4番目は一番重量感があり肉付きもよく、けれど酸もしっかりあり、余韻も一番長い。独特のミネラル感はまだ全然感じられませんが、言われなくても、これはラムに違いない、と思いました。

正解は1. Steinsetz 2. Renner 3. Grub 4. Lamm

実はまだ澱引き前の、バトナージュもしていないベイビーちゃんを味わい分けることはとても難しい。何故って、どれもちょっとパイナップルを思わせる酵母の香味が前面に出、ワインに切れや締りが感じられず、畑特有のミネラル感はまだ背後にひっそり隠れている感じだからです。

それでも、とってもエネルギー感に溢れていて、生き生きしていて、ベイビーちゃん、やるな、って感じ。どでも美味しいです!
プリンセス的には好きな順にRenner > Lamm > Steinsetz > Grubでした。ただしグルップには大きなハンデがあるので、澱が沈み、ワインを本当にブレンドしてから、再び味わってみないことにはなんとも言えません。
ワインはまだこの中に。ブレンド後、大樽に移されます。
昨年はテスト・ブレンドを味わうチャンスがなかったので、プリンセス自身は両年の比較ができないのですが、カーナーさんによると、昨年より味わいのバランスが良い(暖かい年だったけれど腐敗果がほとんどなく、酸もしっかり保持された)ことは勿論、ブレンド時に単一畑ものから格下ゴーベルスブルガーやドメーネへの格下げを余儀なくされるバッチもあるのが普通ですが、今年はグリューナーもリースリングも、すべてのバッチが何の問題もなく発酵を終え、味わいも文句なく、格下げが一切必要なかった、とのこと。

カーナーさん、本当に嬉しそうです。
プリンセスが「レンナーが今の段階では一番好き」と言うと、もっと嬉しそうな顔になり、「レンナーがラムより、ガイスベアクがハイリゲンシュタインより3割も価格が安いのは変。まあ、それはボスの決めることだけどね」と一言。

そして夕方、今度はリースリングのDomaeneドメーネ, Urgesteinウルゲシュタイン, Gaisbergガイスベアクのブレンドしたてを味わいます。

うーん、こちらはベイビーというよりエンブリオか : )?
独特の白い花の香りもなければミネラル感もなく、特にガイスベアクは酵母の甘い香味ばかりが目立ちます。まあ、ドメーネよりウルゲシュタインの方が多少締まったテクスチャーであるくらいの違いはわかりますが…。
ポーズ取って! と頼むと照れ笑い : )
それにしても、この状態で各畑の名を冠するのに相応しくないワインを撥ねていく、って…。やっぱりカーナーさんの舌の感度の良さは只者ではない!!

それとも慣れの問題なのでしょうか???