2012年12月16日日曜日

ゴーベルスブルク幻想

ちゃっかり片道6万を切る価格のビジネスクラスに乗り、ご満悦でお城に戻ったプリンセス。
慣れない”リラックス”ポジションで機内映画を観ていたら、またまた弱点の腰が不調に陥る、という、根っからの貧乏性を曝け出しています。

そんな中、昨日お城では、モースブルッガー家の、この辺り一帯に住む友人&その家族90人を招待しての、リヴィングルーム大公開のティー・パーティーが行われました。
時間は午後3時から8時。振る舞われるのはお茶とサンドイッチ、ケーキ、そしてシャンパーニュのみ。
夕食にかかる時間でありながら、あくまでお茶とお菓子、
シャンパーニュとサンドイッチしか供さないという
ある意味京都人的 : ) な催し
地元の文化人や文化関係のお役人などに交じって、ハネス&サンドラ・ヒルシュ夫妻、フレッド・ロイマー夫妻、シュタット・クレムスのフリッツ・ミースバウアー夫妻、ベルンハルト・オット夫妻、ローマン・ホーヴァートMW等々、ワイン関係者の顔もチラホラ見受けられます。
左にベルンハルト・オット、
ミッヒと話込むのはローマン・ホーヴァートMW
しかし、皆家族連れで、おまけに私の知らないご近所さんやら友人と、当然ドイツ語で談笑している中に入って、…しかもそういう場でワイン=仕事の話も無粋だろう…とも思われ、何を話題にし、どう振る舞ったらいいやら…、と途方に暮れてしまったプリンセス。
そうでなくてもパーティが苦手な性分に加え、周囲の他愛ない世間話に全身の神経を傾けても、話題になんとかついて行き、ニコニコ頷くだけで精一杯。

…始まって2時間ほどで疲れ切ってしまいました。しかも不調の腰はますます重く、鈍い痛みが走ります。

ちょっと自室で休憩! …とベッドに横たわると、それは日本時間で夜中の2時頃…いつのまにかウトウトとうたた寝をしていたプリンセス。
そのままパーティーはリタイアしちゃいました : )

そして今朝。
恒例の6時の鐘とエラの合唱で目を覚ましますが、7時を過ぎても辺りは真っ暗。日が昇ってもどんよりとした曇り空に霧の立ち込める典型的冬のお天気。
よく見れば、昨晩雪が散らついたらしく、一面うっすらと雪化粧です。

ああ、暗い。ああ、寒い。ああ腰痛い。
…と沈んでいると、まるで救世主のごとく陽が差して来ました。

中途半端な腰の痛みには安静がいいのか、体を動かすべきなのか、迷いましたが、冬には貴重なお陽様に誘われ、小一時間の積りで散歩に出ます。

時差ボケも手伝い、心はまだ東京で、身体だけ幽体離脱で戻ってきたような不思議な感覚です。

…と、近くを流れるカンプ川には白鳥が一羽。


川伝いに北上し、1カ月ぶりにハイリゲンシュタインとガイスベアクの並ぶ様子を確認したところで、引き返すことに。

するとそこには銃を携えた兵士ならぬ猟師が。

グループで西から東に弾を打っている最中なので、危険を避けるため、別の道を通るか、あと5~10分ここで待っているよう頼まれます。

いかにも気の良さそうな猟師から通行のお許しが出たのは優に20分後。足留めを喰らう代わりに写真を撮らせてもらったり、日本とヨーロッパの経済危機の話をしたり…。

気が付けば視界は幻想的に霧で煙っています。





お伽の国に紛れ込んだかのような午後のひととき。

ゴーベスルブルクの町並みに、心から「ただいま」とご挨拶できたプリンセスでありました。