2012年12月16日日曜日

ゴーベルスブルク幻想

ちゃっかり片道6万を切る価格のビジネスクラスに乗り、ご満悦でお城に戻ったプリンセス。
慣れない”リラックス”ポジションで機内映画を観ていたら、またまた弱点の腰が不調に陥る、という、根っからの貧乏性を曝け出しています。

そんな中、昨日お城では、モースブルッガー家の、この辺り一帯に住む友人&その家族90人を招待しての、リヴィングルーム大公開のティー・パーティーが行われました。
時間は午後3時から8時。振る舞われるのはお茶とサンドイッチ、ケーキ、そしてシャンパーニュのみ。
夕食にかかる時間でありながら、あくまでお茶とお菓子、
シャンパーニュとサンドイッチしか供さないという
ある意味京都人的 : ) な催し
地元の文化人や文化関係のお役人などに交じって、ハネス&サンドラ・ヒルシュ夫妻、フレッド・ロイマー夫妻、シュタット・クレムスのフリッツ・ミースバウアー夫妻、ベルンハルト・オット夫妻、ローマン・ホーヴァートMW等々、ワイン関係者の顔もチラホラ見受けられます。
左にベルンハルト・オット、
ミッヒと話込むのはローマン・ホーヴァートMW
しかし、皆家族連れで、おまけに私の知らないご近所さんやら友人と、当然ドイツ語で談笑している中に入って、…しかもそういう場でワイン=仕事の話も無粋だろう…とも思われ、何を話題にし、どう振る舞ったらいいやら…、と途方に暮れてしまったプリンセス。
そうでなくてもパーティが苦手な性分に加え、周囲の他愛ない世間話に全身の神経を傾けても、話題になんとかついて行き、ニコニコ頷くだけで精一杯。

…始まって2時間ほどで疲れ切ってしまいました。しかも不調の腰はますます重く、鈍い痛みが走ります。

ちょっと自室で休憩! …とベッドに横たわると、それは日本時間で夜中の2時頃…いつのまにかウトウトとうたた寝をしていたプリンセス。
そのままパーティーはリタイアしちゃいました : )

そして今朝。
恒例の6時の鐘とエラの合唱で目を覚ましますが、7時を過ぎても辺りは真っ暗。日が昇ってもどんよりとした曇り空に霧の立ち込める典型的冬のお天気。
よく見れば、昨晩雪が散らついたらしく、一面うっすらと雪化粧です。

ああ、暗い。ああ、寒い。ああ腰痛い。
…と沈んでいると、まるで救世主のごとく陽が差して来ました。

中途半端な腰の痛みには安静がいいのか、体を動かすべきなのか、迷いましたが、冬には貴重なお陽様に誘われ、小一時間の積りで散歩に出ます。

時差ボケも手伝い、心はまだ東京で、身体だけ幽体離脱で戻ってきたような不思議な感覚です。

…と、近くを流れるカンプ川には白鳥が一羽。


川伝いに北上し、1カ月ぶりにハイリゲンシュタインとガイスベアクの並ぶ様子を確認したところで、引き返すことに。

するとそこには銃を携えた兵士ならぬ猟師が。

グループで西から東に弾を打っている最中なので、危険を避けるため、別の道を通るか、あと5~10分ここで待っているよう頼まれます。

いかにも気の良さそうな猟師から通行のお許しが出たのは優に20分後。足留めを喰らう代わりに写真を撮らせてもらったり、日本とヨーロッパの経済危機の話をしたり…。

気が付けば視界は幻想的に霧で煙っています。





お伽の国に紛れ込んだかのような午後のひととき。

ゴーベスルブルクの町並みに、心から「ただいま」とご挨拶できたプリンセスでありました。

2012年12月11日火曜日

永らくお待たせしました! まずは日曜の鯖鮨報告から!

読者の皆さん、永らく更新ができずに済みません…。

プリンセス自身あっちこっち移動が多かったこともあり、写真を整理し、曲がりなりにも文章を書いてアップする、という時間がなかなか見つけられず…。
そこへ持ってきて、前にも書いた映像管理ソフトの容量オーバー絡みの不都合、PCメモリの不具合(なにかとsave不能に陥る)、SIMフリーiPhoneのデータ容量切れ…、と次々にブログ続行へのハードルが立ち現れ、アップへのモティヴェーションがダダァ~ンと下がっていたプリンセス。
しかも、こうしたささやかなフリー・メディア/ ソーシャルネットにおけるヴォランティア発信行為について、プラス・マイナス色々考えさせられるような出来事も相次いでいました。

けれど滞日もあと2日となって、またまた書きたい気持ちになってきました。

リハビリとして、帰国中の出来事を順不同に遡るカタチで、日本での未報告ワイン会やレクチャー、印象に残った外食やらワインやらのお話に、これから数日はお付き合いいただきます。
さよりと烏賊の刺身。三角底の徳利は、お近くにそびえるスカイツリーを意識? : )

…という訳で、日曜のお食事は、浅草のすし468。

なんとこれでヨーロッパと読ませます。
関西風の押し鮨、鯖&穴子の棒鮨、〆鯖、刺身、大根の煮つけ、塩辛、おひたし、出汁巻き卵、そしてプリンセスには味わうまで正体不明だった肝吸いならぬ芋吸い…といったお品書きからすると、相当ミスマッチなお店のネーミング。

しかも場所は浅草ヴューホテル裏、お多福なども近い西浅草のディープなエリア。
お店は、おそらく10席ないカウンターと、座敷には手狭で荷物置き場と化した畳ほんの1-2畳のスペースのみ、という極々小ぢんまりした空間。
それらと不釣り合いに”お洒落なカフェ?”風情の真っ白なテーブル&真っ白な棚。並ぶのは白磁のコップやらお銚子&お猪口、お皿の数々…。
店主がこれまた、押しつけがましさとも厳めしさとも全く縁のない、初対面でもオフビートなユーモアがそこはかとなく漂う、なんとも味わい深い趣…。

そうした全ての要素が相まって、なにか、こう、微妙に外した感じが却って嵌る、不思議な磁場空間…。

重要なのは、肝心の食べ物だけは、直球勝負で焦点もピタリと定まり、とっても美味しいこと。
穴子は丁寧に骨切りしてあるし、大根や出汁巻きのお味はいかにも京都風の繊細で上品なもの。塩辛や鮟肝といった居酒屋メニューですら、格違いに洗練されたお味。
そしてプリンセスお目当ての鯖。〆鯖と鯖鮨の両方はいくら鯖好きでもtoo muchかと危惧しましたが、それで正解! 〆鯖の方は鯖の脂の艶めかしさの生きる鮮度感溢れる浅い〆具合。対する鯖鮨はしっかり効いた塩が脂とご飯の重さにバランスした揺るぎない安定感。同じ鯖から2つの異なる美味しさを堪能しました!
手前の蛙に“あ、ロイマー!”と盛り上がるのは悲しき職業病…
その鯖&穴子鮨、そして太巻と一緒にいただいたのが、謎の“芋吸い”。お芋の出汁餡は、優しいお味と食感の奥にほんのりと生姜(おそらく)が香り、身体が温まる上、この1カ月やや暴飲暴食気味のプリンセスの五臓六腑を癒してくれました。

帰国の度にまた定番で寄りたいお店がひとつ増え、ほくほくのプリンセスであります : )

2012年11月21日水曜日

Gソムリエ、3つの大罪

月曜の晩、プリンセスは、インポーターのO社からご招待いただいた、代官山のivy placeで行われた、
とーってもお洒落なパーティーに参加した後、旧友ムッシュNのお店"Vin de Reve"で、悪友達と合流。
Mさんのお店選びのセンスの良さには、いつもながら脱帽!
ここでプリンセス、お腹の皮のよじれるほど笑い転げました。
笑かしてくれたのは、都内で複数の人気店を経営するソムリエのG氏。

彼にはそもそも銀座の一流バーC勤務時代に2つの大罪があります。

大罪その1. ひとでなし
サイフォンのコーヒーを熱し過ぎ、勢い良く煮えたぎるゴーヒーが噴出。あろうことか、お客様の頭にお見舞い。
お客様は何事もなかったかのように、静かにコーヒーを飲み続けました。一方彼はその光景に笑いをこらえ切れず、厨房に下がって心行くまで笑ってしまいました。

大罪その2. ビタースイート
シャンパーニュ抜栓の際手許が狂い、コルクをお客様の額に至近距離で見事に命中させてしまいました。
さぞかし痛かったであろうに…。それでもお客様は「これがバーの醍醐味だよね」と素晴らしくも苦し紛れのフォローを入れて下さいました。

ここまでは既に仲間内の知るところ。

そしてこの晩、彼はC勤務時代に犯した3つ目の大罪を告白しました。

その晩カウンターに陣取ったのは、左遷か退職絡みの人物&彼を送る同僚の計5人。それぞれ別々のカクテルを所望しました。
サイドカー、マティーニ…、と順番に異なるカクテルを作ってサーヴし、最後に一番奥に座る悲しき主賓のカクテルを作ります。
G:「洋ナシのカクテルです」
左遷人物:「…そうだよね。僕って用無しだものね。」…自虐的微笑みを浮かべてポツンと一言。

以来彼は、店で洋ナシは「西洋ナシ」と呼ぶよう、肝に銘じているそうです  : )
Vin de Reveのシェフ、エージ君のお料理は、
友人の店という贔屓目抜きに素晴らしい!
☆☆☆
パーティー会場で、実はちょっぴりシュンとしていたプリンセス。
そうでなくてもパーティーのような人の多い賑賑しい席では気後れしっ放しな性分なところに持ってきて、久々にお目にかかった業界の先輩に「ご無沙汰しております」と、礼儀正しくご挨拶した積りが、「あら、尻尾を巻いて戻って来たの?」と、ジョークにしても意地の悪い言葉を返されてしまい、一瞬目の前がクラクラと暗転してしまったのでした。
けれどそんなブルーな気分も、このチョーおばかな告白でパパっと雲散霧散!

いつでもどこでも、持つべきものは、やっぱり一緒にバカ笑いのできる友人達です!
※お酒の席でのバカ話故、詳細の正確さは一切保証されないことをご了承下さいまし。

2012年11月19日月曜日

冷涼ワインと極北ワイン―自信を持って後ろを向こう!

「有料アップグレードせねばブログに写真がアップできない!」と激怒していたプリンセス。
facebookつながりのH氏が教えてくれたリンクから、一定サイズ以下の写真はピカサへのアップロードとしてカウントされないことを知りました。であれば、H氏のアドバイスに従い、オーバー分だけ既アップ写真のサイズを削って再アップし直し、今後はカウントされないサイズで写真をアップし続ければいい訳です。

やりましたよ、プリンセス! 土曜のセミナーの準備をしながら。そして日曜の夜中に音楽を聴きながら。とーっても面倒ではありましたが…。

そんな訳で晴れて皆さんに、セミナー@provinageのご報告ができます。
テーマはオーストリアン・アップデート。
ほっかほかの2012年ヴィンテージ情報と、現地暮らしをして初めて見えてきたオーストリアワインの側面について、お伝えできれば、と思っていました。
一番右は残念ながら微ブショネだった、原成岩のGV代表RudiのKollmütz。
右から5本目がその代わりのプロイドゥル GVエーレンフェルス。
けれど、オーストリアの魅力を十全に伝えたい、という漠然とした思いでラインナップしたワインをどのように皆さんにご紹介しようか、と思い巡らせるうち、プリンセスは何か"最新情報"とは別の側面のメッセージが、自分の中に芽生えつつあることに気付きました。

それは、セミナーを主催して下さったプロヴィナージュの田中浩ソムリエの提唱する”冷涼ワイン”の、もうひとつの側面、あるいは”広く冷涼ワインと呼ばれるものの中でも特殊な位置を占める北のワイン”とでも呼ぶべき伝統をお伝えしたい、という思いでした。

田中さんは冷涼ワインを「味わいの基軸を成すものが高いアルコールや果実味でなく、良質な酸とミネラルに由る凛とした味わいで余韻の長いワイン」と定義しています。

まんま、プリンセス好み♥のワインです。
ただ、プリンセスはそうした冷涼ワインの中でも、本当に北のワインが好きなんです。特に、白ワインに関しては「涼しい程度じゃ生ぬるい!」…ワイン産地の極北をこそ愛しているのです!
セミナーに参加して下さった皆さん、Neumeisterの産地がSüdsteiermarkになっていたかも知れません。
訂正してください! そして好評だったMニーポートのカルヌゥントゥムは最新情報によると、なんとこの価格!!!
では、冷涼ワインの中でも極北ワインだけが持つ特徴って何でしょう?
ズバリ、同じ畑の同じ品種の、同じ木のブドウから、いくつもの異なる個性のワインを生むことだとプリンセスは思っています。

これは北の産地の長い収穫時期の為せる業。言ってみれば天然の氷室で、天候とのやり取りが作る独自のスタイルの確立やら、酸や糖の値がほとんど変わらなくなった後に、少しずつ風味の成熟を待てる気候的利点です。

土曜のセミナーでご紹介したワインからもわかるように、オーストリアでは、ハシリを楽しむユンカーやユングヴァインから始まり、1年以内に飲み切るのが基本のホイリガーやシュタインフェーダー、リリース後数年間ユニヴァーサルな食事のお供となるDACやフェーダーシュピール、10年以上の熟成も十分可能な辛口の遅摘みであるDACリザーヴ&スマラクト、そしてアウスレーゼ、BA、アイスヴァイン、シルフヴァイン、TBA…と、異なる収穫時期や成熟時の天候如何により、様々な個性のワインを生みます。

別の言い方をするなら、だから、ブルゴーニュの白は冷涼ワインではあっても極北ワインではありません。そしてプリンセスにとって、ブルゴーニュの白ワインの魅力は、同産地の赤ワインの魅力の足許にも及ばない…。

仏産地から挙げるなら、気候的にはシャブリが冷涼ワインと極北ワインの境目で、シャンパーニュはオーストリアやドイツとはまた別の、極北ワインのひとつの完成形だと思うのです。

ゲルマン言語圏のワインが多様なスタイルを保持し続け、ラテン文化圏がその最適な単一のスタイル(辛口/甘口/泡)1本に絞られているのは、それしかできない気候的要因(糖度の上がりようがない、貴腐が少ない、貴腐果の腐敗化率が高いetc…)がそうさせるのか、文化的な要因(自然は人間の英知で征服&洗練すべきもの、と考えるラテン的、或いは仏的文化)がそうさせるのか、その両方が絡んでいるのか、とても興味深いところです。

因みに仏のもうひとつの冷涼=極北ボーダーワイン産地であるアルザスが、仏銘醸地の中で、いまいち一貫した個性(品種的にも、スタイル的にも絞るのか多様さをアピールするのか)を打ち出し切れていないように見えるのは、この地が歴史的に仏文化と独文化の狭間を揺れ続けて来たことと大いに関係しているように思われ、この辺も実にプリンセスのマイナー探究オタク心をそそってくれます。

今、地球経済は大いなるグローバリゼーションの波に晒されています。ワインも例外ではありません。
そんな中、日本市場にオーストリアワインをご紹介する立場のプリンセスには、ちょっと気になることがあります。

それは、上に書き連ねて来たような多様なスタイルを保持し続ける生産者のワインより、辛口一本に絞り、アロマを最大限保持するようなインターナショナルスタイルのワインにフォーカスする生産者の方が、一般的に市場で評価されやすい、という傾向です。
併せて、早飲みや軽いスタイルのワインばかりが話題に上り、熟成可能な辛口の遅摘みや、アウスレーゼ、貴腐やアイスヴァインがあまり紹介されていない実情です。

墺の作曲家マーラーの”伝統とは灰を拝むことではなく、松明を灯しつづけることである”という言辞を引くまでもなく、現代人の社会的関心(例えばビオ)や味覚的嗜好(軽快な辛口)に対応することはもちろん大切です。テクノロジーを活用し、品質や生産性を上げることも、それが適切に用いられる限り肯定的に評価したいと思います。

けれど、我々消費者が無知であるばかりに、伝統文化の豊かさを自分の既知のスタイルやグローバル・スタンダード・スタイルに狭めてしまうようなことにだけはしたくない、というのがプリンセスの思いです。
消費者である我々が、早飲みホイリガーや軽い辛口ばかりを評価するなら、生産者はよりリスクの高い遅摘みやプレディカーツヴァイン(アウスレーゼ以上の甘口、貴腐、アイスヴァインなど)の生産をどんどん縮小して行くでしょう。
そして、それは極北ワイン産地の豊かな伝統文化の衰退&絶滅を意味します。

今こそ冷涼ワインファンの皆さんには、”灯しつづけるべき松明は何か”を真剣に見据え、ブームやトレンドに踊らされることなく、自信と誇りを持って後ろ向きになり、北でしかできない多様なワインの伝統と文化を支えて欲しい、と切に切にお願いしたいプリンセスなのであります。

2012年11月15日木曜日

帰国早々、プリンセス激怒!

皆さんただいま~!
と、ご挨拶する間もなく、翌朝から親友のお祝い事で北海道へ。
SIMの切り替えがうまくいかず、ネット不通状態となってしまっていました。

その北海道からもようやく戻り、昨日からいよいよ日本でお仕事モードです。

ただ、その前に。
プリンセス、帰国早々大いに怒っています!
それはこのブログに関してのこと。

11月3日土曜、プリンセスがゴミ拾い下女から宴のホスト一味へと華麗に変身を遂げた回のブログをご覧下さい。
かつて写真のあった部分に、人を食ったようなΘみたいな白記号が、ゾロゾロ出て来るでしょう?

実は出発前日の朝の写真をブログにアップしようとしたところ、ピスカだかピカサだかの「容量が一杯です。アップグレードしますか?」という表示が出ました。
どうやらブログにアップしている写真は、自動的にこの写真管理ソフトにもアップされるらしく、既にその容量が一杯だ、というのです。
このままブログを書き続けたければ(写真をアップし続けたければ)、ピカサを有料バージョンにアップグレードせよ、と、そう言われているのです。

そんなソフトはあまり使うこともないので、わざわざお金を払ってまでアップグレードするなんてもっての他!
大体、誰がブログにアップした写真をピカサにもアップロードしてくれ、って頼みましたかぁ?

そんな訳で、近日のアップデート写真の中から、わざわざ管理ソフトに保存しておくまでもないような写真を数枚削除し、その日のブログにアップしたかった写真分の容量を稼いてお茶を濁すことにしました。
ブログの写真は他にバックアップもあるので、このソフトに2重にバックアップする必要もない。ですから他のアルバム同様、アルバム単位でブログ写真の全てを一発で削除したかったのに、何故かブログ写真だけは、アルバム単位での削除の文字がクリックできないようにされています。仕方なく、1枚1枚削除して行きました。

そして、今日になって気づきましたが、その、ピカサから削除した写真の部分が゛Θという無残な姿の正体だったのです。※まあ、ですから一発削除できていたら、今頃全て写真がブログから消え失せていた訳で、それよりはマシだった訳ですが…。

こういうのって詐欺だと思いません?

無料を謳っておいて、使い手がそれを道具として重用する頃には、お金を払わねば実質上使い続けられない状況に陥れる…。

…ったく、帰国早々チョー気分の悪いプリンセスであります。
そんな訳で、写真をアップしようとする度に、古いブログから写真を削除せなばならないプリンセス…。

読者の皆さんのどなたか、写真をブログにだけアップしてピカサにアップしない方法をご存知ありませんか? ピカサをアンインストールすればいいのかしら?
でもピカサから削除した写真がΘになってしまうところを見ると、ソフトをアンインストール=ブログ写真全喪失事態を招きますよね、きっと…。

そんなの超面倒臭いから、うーん、もうブログ止めちゃおうかなぁ…

2012年11月9日金曜日

グリューナーとリースリング。この雲泥の差!

空港へ向かう前に、早起きしてせめてラムの収穫風景の写真だけでも、と思っていたのですが、残念なことに今朝は冷たい雨。収穫は午後からになってしまいました。

なので、このブログは1,2日お休みをいただきます。
いってきま~す! あれ違うか。もうすぐそちらに参りま~す!

さて、プリンセス、一週間くらい前のブログに、「これ以上何を待っているんだろう?」と書きました。

ハイリゲンシュタインの美味しそうな実が、木枯らしで随分落ちてしまっていたからです。
実際に収穫しても、どこから鋏を入れようかと梢や房をいじっていると、はらはらと梗がちぎれて、ボトッと房が落ちてしまうことが何度もありました。
霜や雪の影響で、もう木が弱っているのです。

それでもお城ワイナリーは収穫は急がず。
「大丈夫なのか?」と心配していたプリンセスですが、水曜にレンナーのブドウを自分で収穫してみて納得!
グリューナーの梗はリースリングよりずっと丈夫なのです。
こちらハイリゲンシュタインのリースリング
こちらレンナーのグリューナー
ところで、去年もそうでしたが、近隣のビオの生産者達は2週間から3週間近く早く収穫を終えています。彼らは「ビオにすると生理学的成熟が早くなる」と主張しています。
ですが、この2-3週間、糖と酸は値上はもうほとんど変わりません。フェノールの成熟が進み、風味が向上するのみ、です。
そうした生理学的成熟の頂点が本当に2-3週間も早く来ているのか、それともビオという超労働集約栽培をできるだけ早く終わらせたい、或いはそうした労働の結実をリスクに晒したくない、という心理が働いているのか…。

その答えはワインを飲み比べて風味と味わいで判断するしかありません。
また、Vinaria誌にフレッド・ロイマーのインタヴューが載っていて、なんともいいタイミングで“成熟とはなんぞや”みたいなタイトルがついているので、これも辞書を引き引きじっくりと読んでみようと思っています。

それでは皆さん、プリンセスはこれから故国へと旅立ちます!
ほんの一か月の滞在ですが、どこかでリアルにお目にかかれるのを楽しみにしています!

2012年11月8日木曜日

お城の隠れた主役、ガイスベアク&レンナー。今年の果汁はビューティフル!

明日日本へ旅立つプリンセス。オーストリアでのブログはこれで最後になるでしょうか? 
さて、今日は気持ちの良い秋晴れ。お城ワイナリーでは昨日、今日と引き続きRennerレンナー畑のグリューナーを収穫しています。
朝日が美しい、お城のバックヤード風景。
レンナーはガイスベアクGaisbergの麓にある畑。
ラムLammがハイリゲンシュタインHeiligensteinの麓にあり、ラムとレンナーはだから二つの山の麓に隣同士で並んでいるのですが、この二つのグリューナーの畑の土壌も、また異なります。
左がハイリゲンシュタイン(麓右側がラム)、右がガイスベアク(下部がレンナー)。間の窪みがグルップ。
ハイリゲンシュタインとガイスベアクのサブソイルそのものが異なる岩石であることは前にも書きました。そしてそれぞれ底岩の上に結構深く土が被っているのですが、この土がまたラムとレンナーではかなり違うのです。それも、石そのものが異なるから違う、というのではなく、テクスチャーが違うんです。
レンナーからガイスベアクを望む。いかにも平穏な眺め。
早い話はラムはその名の通りローム土壌 ※ラムはドイツ語でロームの意味のLehmのこの辺の方言。つまり粘土を含むかなり重い土壌です。
それに対し、レンナーは砂。レスを通り越して、もう少し粒子の大きい所謂砂なのです。

両者最も大切なことは、ロームがコングロマリットの上に、砂がパラクナイスの上に被っているところ。このカップリングこそが味噌。
というのは、グリューナーは乾燥に弱いので原成岩だけでは灌漑なしには育ちません。なので古来保水性の良いレスやローム土壌に植えられて来ました。
けれどそれだけではフルーティーな、或いは豊かなワインにはなっても、複雑で深いミネラリティー溢れるワインにはなかなかならない。そういうワインになるブドウを育てるには、やはり岩石の土壌が不可欠で、だからこそ、こうした岩の上にある程度保水性のある土の被った畑が、グリューナーの銘醸畑としてフィーチャーされる訳です。
西からの冷たい風から守られ、朝日を浴び、そよ風の流れる緩斜面。
プレミアム・グリューナーに理想的な二層構造の両畑ですが、更に仔細に観察すると、両畑の局地気候が微妙に違う。ラムはやはりハイリゲンシュタインの下部なので、より日中は暑く、朝晩は冷えます。一方朝日を浴びる部分が多く、カンプヴァレーからの冷風からは完全に守られつつも常にそよ風の流れるガイスベアクの麓にあるレンナーは、より穏やかな局地気候。

この微妙な局地気候の違いに、さらに二層の土の構成の違いが加わって、ラムとレンナーのワインの個性の違いが形作られます。
ハイリゲンシュタインとガイスベアクのリースリングが、隣同士に並ぶ山とは思えないほど、それぞれ異なる個性を表現しているのと同様、ラムとレンナーの持ち味も、大きく異なります。

サブソイルの岩そのものは、粒子の大きな小石のコングロマリットであるハイリゲンシュタインより、粒子の細~粘土のやや低い温度で生成された変成岩であるパラクナイスのガイスベアクの方が、若干保水性が高い。けれど岩石の色としてはパラクナイスの方が黒く、熱を保持する。
一方で、上に積もっている土はロームの方が砂よりずっと保水性が高い。
こちらは昨日の朝のレンナー。どんよりでしたが、雲が時々はっとするくらい美しい画を描いていました。
以上様々な要因が絡まって、ラムでは筋肉質でキメの詰まった、ドッシリと力強い長熟のグリューナーができ、レンナーではより繊細で優しい味わいのグリューナーになります。
そして、熱く乾燥した年にはリースリングはむしろガイスベアクの方が瑞々しさを保つのに対し、グリューナーは、ラムの方が乾燥に強い、ということになります。※レンナーは樹齢の若い部分は灌漑している場合が多い。


そして今年のレンナーは??
プリンセス昨日は午前中に収穫に参加。今日はソートの様子を見学していましたが、出来は抜群です!

去年のグリューナーは甘くて食べて美味しいものの、酸はやや低く皮が厚め。対して今年は酸と甘さのバランスがとても良く、昨年よりずっとフレッシュに感じます。また、グリューナーの房はクローンにもよりますが、一般的にリースリングよりずっと大きく、房が双子、三つ子のように肩部分でつながっているようなものも多いのですが、そうしたジョイント部分が実は悪玉貴腐に冒されやすい。そして、昨年はあんなに乾燥していたにもかかわらず、房の内部ジョイント部分には、そういう腐敗果が結構ありました。
それが今年は本当に果実が健全。梗に鋏を入れる度に嬉しくてニヤニヤしてしまいます!


朝7時に始まる作業で続々と運ばれる果実を選果するケラーマイスターのカーナーさんも、本当に嬉しそう。
実は、お城ワイナリーのエアステ・ラーゲの中で、最大面積を誇るのがガイスベアク、続いてレンナー。勿論知名度的には、そして価格的にも、ハイリゲンシュタインとラムがフラッグシップ、ということになるのでしょうが、所有畑の大きさの意味でも、またお城ワイナリーの得意とする優しさ溢れる飲み心地という意味でも、カーナーさんにとっては、この二つの畑に対する愛着が一番大きいようなのです。
こうしてソートコンベアへ。受台は微振動しており、
細かいゴミは自動的にはじかれる仕組みです。
この写真、渋さが魅力のカーナーさんらしくない。けれど、
ブドウの状態がここまでいいと、彼にして浮かれることもある、
という証拠写真です : )
そして超健全なレンナーのGVは、こうしてベルトコンベア式にプレスへ。
さて、明日は天気が良ければラムのグリューナーの収穫を予定しています。
プリンセス、今日は早めにパッキングを万全にして、明日は早起きし、天候が良ければ予定される天下のラム畑の収穫の様子を写真にだけでも納めたいと思っています。

お楽しみに!