貴腐やアイスワインはともかく、辛口用ブドウの収穫見届けてから帰ろう、という魂胆です。
今年の収穫@ハイリゲンシュタイン。葉がほとんど落ちています。 |
ですから当然、祝日の昨日を挟んで今日はラムかレンナーのGVの収穫…と心の準備をしていたのですが、予想に反し今日は収穫はお休み!!
実まで落ちてしまっています。 |
どうしてここまで待つのか?? 予想できる理由は;
1. ひとつの畑から最大DACリザーヴ、トラディション、アウスレーゼ、BA、TBA用のブドウを収穫するので、「アウスレーゼ以上の貴腐ブドウと、辛口(DACリザーブやトラディション)用のブドウの収穫のタイミング合わせをするため、貴腐化がもう少し進むまで待っている。
2. 待てば待つほど風味が向上する。
3.単に人員布陣にミスがあって、十分な人数の摘み手がいない。
去年の収穫時のハイリゲンシュタイン。葉は青々としています。 |
今年は去年に引き続き暖かい年なのですが、それでも色々なことが違います。例えば、畑の収穫の順番が違うし、同じ畑でも去年と貴腐ブドウの扱いが異なったりします。
去年は少なくともエアステラーゲについては、葉が枯れ落ちる前に辛口ワイン用のブドウは収穫を終えていました。
確かハイリゲンシュタインは、去年は辛口用のブドウを摘んだ後、貴腐の房を残しておいて、随分待ってから収穫したような…。
ブドウの状態は去年もハイリゲンシュタインは良好でした。 |
ところが、グリューナーの悪玉貴腐はむしろ去年の方が多かった。今年のグリューナーは、たとえ格下の畑であっても果実がパーフェクトに健全。
リースリングにしても、去年は結構お酢の臭いを発散させる悪玉貴腐にやられた房も多かったけれど、今年はそういのは本当に少ない。特にエアステ・ラーゲに話を限れば、今年は見事に善玉貴腐しかついていない…。
そう言えば今年は湿度の上がる頃、ググっと気温も急降下しましたっけ。気温の下がる以前の10月上旬までに運び込まれた買いブドウには、善玉も悪玉も含めて、貴腐が結構多かったことも思い出しました。
これも去年の収穫時。まだ実に瑞々しい。 |
けれどハイリゲンシュタイのリースリングは、やはり記憶通り、去年は健全果は10月21日、貴腐果はなんと3週間おいて、11月13日の収穫。でも今年はおととい10月31日に、貴腐の房も健全果と一緒に全部摘んでしまいました。
なんだか昨年の方が、まず8月後半の熱波であわくってゼクトの収穫に入り、9月に入っても真夏のような気温に、やはりお尻に火をつけられたように本格的な収穫が9月半ばに始まり…。全てにおいてせかせかと収穫を進めたような気がするのはプリンセスの心の余裕が足りなかったからなのでしょうか…。
そして今年 |
だからこそ、数日前のブログに書いたように、『待つ』ことが可能でした。
ところがここに来て、霜や雪がブドウの木と房をつなぐ梗を著しく弱めました。貴腐のついた房も、あまり放置してはおけない状況ではないか、と。そのためハイリゲンシュタインでは健全果と貴腐の同時収穫となったのでしょう。
ではガイスベアクはどうなのか? ラムやレンナーは何のために、どこまで待つ積りなのでしょう?
ニコライホーフやヒルシュ、セップ・モーザーなど、ビオディナミやビオディナロジックの生産者達は、とっくの昔、3週間近く前に収穫を終えてしまっています。
うーん…プリンセス頭が混乱状態です。
しかしブドウはいかにも力強い。 |
明日収穫する畑が、ブドウが、私に何を教えてくれるか…。
またまた楽しみなプリンセスです。
※ハイリゲンシュタインの続き、忘れてません。どこかで必ず戻って来ます!