2012年3月11日日曜日

母君、親不孝娘をお許し下さい。

プリンセスの母君は、最近マイコン制御の加湿器を購入しました。
ちゃんと部屋の温度や湿度をセンサーで察知し、適量の湿気を放出する仕組みのよう。…当然蒸気の出が勢い良くなったり、ショボショボしたり、止まったり…。
プリンセス的には「うーん、最近の家電は賢い」と感激するのですが、老齢の母にはこの「センサーで察知し、自動的に量を調節したり動いたり止まったりする」という行為が理解できないらしく、蒸気の勢いが弱まると「調子悪いわね」。止まると「故障かしら」。プリンセスが機序を説明してもどうしても腑に落ちない模様。購入家電店に電話をかけ、やはり「異常ではない」と言われるもご不満な様子。
…そんな母を見るにつけ、遠く海外に暮らし、老齢の母親に独り暮らしを強いる『罪』の重さをヒシヒシと感じるプリンセス…
お母さん、ごめんなさい。

2012年3月8日木曜日

Foodex タイムマシン効果?

プリンセス、3日間Foodexでワインの試飲ブースに立ったり、セミナーをやったりしていました。

嬉しかったのは、大勢の旧い友人や知人(ワインスクールの生徒だった時代や2足のわらじでワインを売っていた頃の)が、「ここに来れば会えると思って」とオーストリア・ブースを訪ねてくれたこと。
本や雑誌記事を読んで私を知ってくれた方も少なくないよう。「本ほど手間の割に実入りの悪い仕事はない」と思っていましたが、今私は、おそらく本を書いたおかげでオーストリアで暮らすことができ、本を媒介に沢山のヒトと出会っています。感謝、感謝。
しかもFoodexでは不思議なくらい、プリンセスの過去と未来を繋ぐ連鎖円環現象がプリンセスの周囲に起こりました。

海浜幕張を目指す電車ホームで知り合ったピエモンテの生産者Ferrarisフェラーリスは、ブースを訪ねてみると、カスタニョーレ・モンフェラートのDOCGであるRucheルケ造りの中心的人物。と、そこで試飲をしているのは、リストランテxxのすぐ近くに、やはりリストランテxxを造って独立されたS屋さんや、D通出入りマーケティング・シンクタンクの更に下請けマーケティング・プランナーからワイン業界への転身を企んでいた頃、プリンセスが自宅で主催していた勉強会の仲間だったK森氏ではありませんか!!
彼らをオーストリア・ブースに誘うと、セミナー後にブースを訪ねて下さったS水氏は、K森氏のK酒販時代の大顧客であったことがわかります。
さらに当時プリンセスが“スーパーバイト”と呼ばれていた、『やxや』時代のお客様だった、当時ソムリエ、現ネットショップ・マネージャーH賀氏が、「紹介します」と連れてきて下さったF田氏は、プリンセスの過去の大クライアント様D通のコピーライター!
そして極めつけが、M役員からNリカー代表になられたO氏。「いいグリューナーを会社で探していて」と、私を訪ねて下さいました。実はO氏との国産ワン・コイン・ワイン “BMシェ”の新商品開発プロジェクトは、D通さん&マーケ会社とともにご一緒させていただいた、プリンセスがやxやの店頭アルバイト以外でお金をいただいた、最初のワイン・コンサルティングと呼ぶべきお仕事だったのです。
本当のことを言えば、当時プリンセスは、自分のしている仕事や置かれた社会的環境と反りが合わず、あまり精神的に健康とは言えない状態。しょっちゅう会社に行けなくなったり、外に出られなくなったり、電話に出られなくなったり…を繰り返していました。
でも今、こうして沢山の当時の知り合いと出会ってみると、なんだか過去の自分と仲直りをしているような、不思議な感覚に囚われました。
そして、そうした過去のつながりだけでなく、例えばオーストリアにも純粋に学問的見地からブルゴーニュ(シャブリ含む)、アルザス、フランケン、ファルツなどと同等の熱い眼差しを向ける地質学者のS本さんなど、今後刺激を与え合えそうな方々との新たな出会いも数多くありました。過去の出会いがこうした新しい出会いと組み合わされ、過去の体験が新たな側面から再編成されるとき、本当の意味でプリンセスなりのオリジナルな仕事ができるようになるのではないか、とそんな気持ちになりました。

こうした機会を創るきっかけを作ってくれたオーストリアワインマーケティング協会、オーストリア大使館商務部、そしてここ数日中に出会った様々な関係者の皆さん! ありがとうございました!
Foodexの有効性について賛否両論ありますが(そしてプリンセスも日本に居る頃は、特に近年は疎遠となっていましたが)、少なくとも今回は個人的にとても有意義な時間を過ごすことができました。

2012年3月6日火曜日

Foodex始まりました!

さあ、いよいよ今日からFoodex。

「オーストリアワインは初めてなんですけど」と言いながら、色々試して下さるお客様が多く、関心が少しずつ高まっているのを実感。
「質が高い」「和食に合う」「イタリアンでも好評」などなど、お褒めの言葉をいただくと、自分のことのように嬉しい、とっても単細胞なプリンセス。

けれどプリンセスは知っています。
オーストリアワインは決して放っておいて売れるワインではありません。品種の名前も読みにくいし、価格も安くないし、実際に輸入して売ろうとすると、そんなに簡単なことではありません。だからこそお客様にワインをお勧めする立場のプロの関心アップが何よりも重要です。
そこをなんとか改善するための手掛かりを少しでも得たくて、プリンセスは今回帰国しています。














Foodexでセミナーをし、できるだけブースに立つのも、1)少しでも多くの皆さんにオーストリアの良さを知ってもらいたい、2)オーストリア・ファンとの接点やパイプを作る、3)今後解決すべき問題点をピックアップする、といった目的があります。
トップ生産者の心意気をワインとともにお伝えする一方で、日本市場の生の声をできるだけ沢山聞いて帰りたいと思っています。

ですから皆さん、プリンセスは明日&あさっても、午後2時以降はオーストリア・ブースに居りますので、Foodexにいらっしゃる方は、是非声を掛けて下さい! そして「いいこと」ばかりでなく、オーストリアワインについての「ここが困った」「ここがわからない」「ここが使いにくい」…そういう部分も是非お聞かせ下さい!!

2012年3月5日月曜日

リーデル? ロブマイヤー? それともツァルトー?

プリンセスにとっては悲しいことに、オーストリアはワインよりワイングラスの方が有名です。
その筆頭が、あのリーデル。ワイングラスとしては世界一名の知れた存在、と言ってもいいでしょう。

しかーし!
プリンセスいちのお気に入りは、ニューイヤー・コンサートでいつも素敵な輝きを放つムジークフェラインのシャンデリア、あれを作っている、ロブマイヤーのもの
(実はプリンセスの拙著はロブマイヤーの“オーストリアの飲み物に関する世界中の本”を集めた図書コレクションに収められています。プリンセスの数少ないご自慢のひとつ。えへん!
飾って眺めるなら19世紀末から20世紀初頭のLudwig LobmeyrやJoseph Hoffmannデザインのシリーズが、“いかにも” なのですが、実際ワインを飲むにはPaul WieserデザインBallerinaバレリーナ シリーズがお勧め。特に大振りのチューリップ型シャンパーニュ・グラスは、熟成したヴィンテージ・ジャンパーニュを飲むのに欠かせません。また、ちょっと細身の、モディリアーニ描く女性の顔型を思わせる面長グラスも、オーストリアのエレガントかつ贅肉のない白ワインにうってつけ!
ロブマイヤーの魅力は、もちろんまず第一にそのため息を誘う流麗なプロポーションにありますが、それに劣らず重要な点はグラスが軽いということ。これはカリ・クリスタルを使用しているからで、同じ理由でオマケもついて、軽いのに強度は鉛クリスタルグラスより高い。いや、逆かもしれません。強度が高いからこそ薄くでき、だから軽いのでしょう。ワイングラスは見て美しく、飲むときにはできるだけその存在を感じさせないことが理想ですからね。
ところで、カリ・クリスタルグラスのデメリットとして、鉛使用のクリスタルガラスのような鋭利な輝きがないことが普通挙げられます。けれどプリンセスはその柔らかな輝きが、むしろ好きです。

そんな訳でプリンセス、かつてはオーストリアへ行く度にロブマイヤーのグラスを少しずつ持ち帰ったり送ったりしていたんです。
左よりRiedel 125g, Lobmeyr 95g, Schott Zwiesel 145g, Zalto 105g, Riedel 195g, Lobmeyr 110g
ロブマイヤーとツァルトーの軽さ(=薄さ)がおわかりいただけるか、と。
ところが、何度もオーストリアを訪ね、様々なワイナリーにお邪魔するようになると、トップワイナリー達が試飲に同じグラスを使用していることに気付きます。ロブマイヤーと同じ位軽くて、デザインはよりモダン。優雅さではロブマイヤーでしょうが、現代的なセンスの良さ、という意味では、むしろ「こちらの方が恰好いい!」と、プリンセスは思いました。
グラスはZaltoツァルトーというメーカーのもの。ワイナリーがこぞって使っているのは、DENK'ART デンクアートという、業界人の間で真のワイン通として名高いデンク神父がデザインしたラインの、ユニヴァーサルという商品であることがほどなく判明します。気になるお値段ですが、もちろんこちらも手吹きのカリ・クリスタルであり、安くはありませんが、芸術作品或いは銘工芸品としての値付けのロブマイヤーと比較すればかわいいものリーデルの手吹きグラスであるソムリエ・シリーズ(=鉛クリスタル)と比較しても遥かに格安。そんなこんなでプリンセス、グラスは基本Zalto ツァルトーで揃えることに決めました。シャンパーニュ・チューリップだけは、これからもずっとロブマイヤーを買い続けると思いますが。

さて、オーストリアに渡ってから、日本の自宅用にデンク・アートのユニヴァーサルグラスをドカンと大人買いしたいと思い、ヴァインアカデミーの講師に安くで買える場所を尋ねました。すると、「ワイン・ジャーナリストなら本社にメールを書いて、割引価格で売ってもらいなさい」と助言を受けます(こういう実践的な指導をしてくれる先生って大切)。で、その通りにしたところ、割引価格でグラスが購入できたばかりか、"Zalto Ambassador"就任を打診されます。いえ、別にもうひとつ自慢を増やしたい訳ではありません。皆さんにも朗報なのでお受けしました。Zaltoグラスは既に日本にエステート・ワインズhttp://www.estatewinesjapan.com/index.php?main_page=index&language=JP  
tel 078-777-6616 を通して輸入されています。ここからツァルトーを購入する際、「私の紹介」と言っていただければ特別価格(希望小売価格の15%引)でお求めいただける、というシステムです。
美しく機能的なワイングラスの購入を検討中という方、どうぞご活用下さい。
尚、本人確認?の合言葉は『プリンセス・アラフィフ』ですので、お忘れなく : )

2012年3月4日日曜日

"メルルの会”雛祭特別ヴァージョン@目黒Argent

昨晩はフルーティスト山形由美さん主催のワイン勉強会“メルルの会”のお雛祭りスペシャルお食事会。プリンセスが日本に居た頃は、月1回拙宅でテーマを決めて勉強会を行っていましたが、オーストリアに渡ってからは、帰国の度にスペシャルお食事会をしています。
今回は、目黒中町のフレンチ“アルジャン”で、勉強の成果を試すため、各自セレクトしたワインを持込んでお雛祭りを祝おう、という趣向で行われました。

最初の泡、Franciacorta Rucci Crrustro Roseは由美さん持参。綺麗なサーモンピンクがお雛祭り気分を盛り上げます。ピノとシャルドネが半々というこのスプマンテは、マイルドな気候のためか、ドサージュに頼らない熟したベリーの自然な甘やかさとシャルドネ由来のソフトなミネラル&上品さが魅力。お店のスペシャリティであるマグロのタルタル(秘密のレシピ。香草使いが見事)と海鮮サラダ(鮮度抜群魚介の宝石箱の趣)の味わい&ビジュアルを華やかに彩ります。



次はプリンセスがスーツケースに入れて持ち帰った、お城ワイナリーのGobelsburger Riesling Urgestein ゴベルスブルガー リースリング ウルゲシュタイン。ヴィンテージは、まだ日本には殆ど入っていない2011年。銘醸畑の若木のブドウ主体のこのワインは、溌剌とした白い花のアロマが素晴らしい! 海鮮サラダとハマグリのチーズ焼きの美味しさが倍増します。昨晩の最廉価ワインながら、前後を囲む銘酒たちと比較しても、そのピュアな魅力はキラリと光っていました。(ひそかにほくそ笑むプリンセス: )



大人の魅力を漂わせる音楽事務所代表土屋さんの持込みはMarc Colin St Aubin 1er  Les Combes 2001。前のワインの初々しさと好対照の、熟成から来るはちみつのタッチと多層的旨味がとっても贅沢な個性。余韻も非常に長く、紛れもない一級品の味わい。さて、ここでワタリガニのトマトクリームパスタ登場。カニとトマトはリースリングの得意領域。クリームは断然ブルゴーニュのオハコ。さて、どっちの相性が上? …結論として、パスタにピリっとスパイシーなアクセントがあったため、リースリングの方がよく合いました。
あー、最初の鮪のタルタルの写真を撮り忘れた!!!
そして隠れ酒豪の呼び名も高いピアニストの林さんセレクトのTollot Beaut Beaune Blanches Fleurs 2007  …そうそう、こういう小作りで透明感溢れる品の良さはBeauneならでは!07らしいチャーミングな味わいは、 地鶏のローストと出会うと、内なる野性味や官能をほんの少し漂わせます。そして添えられたマッシュルームに合わせると、あら不思議! 強さとは無縁の個性を持つワインが、キノコの内向的で強靭な旨味を十全に引き出してくれます。

facebookでは可愛い猫の写真でお馴染みのピアニスト小柳さんのワインは、Ch Lagrange 2006。ミディアム・フルボディでキメ細かなタンニンが強過ぎず弱過ぎず、酸と果実味も完璧なバランス。典型的"the Grand vin du Medoc"な、端正ながら人あたりの良い味わい。仔羊が持つ微かな青草&ミルクっぽい風味とボルドー・ブレンドのハーバル&黒&赤ベリーのニュアンスが絶妙な組み合わせで、心もお腹も大満足!

〆は再び私の持込み。丁度10年前、プリンセスが最初にオーストリアからネット購入したワイン最後の1本! Kracher Welschriesling TBA 1998 (No.4)です。紅茶を焙煎したような「まるで教科書!」な貴腐香と、高い残糖をサラリと飲ませるだけの高い酸。クレメ・ダンジュ、洋ナシのタルト、クレーム・キャラメルの3つのデザートの中では、断然濃厚なクレーム・キャラメルにぴったり。ヴェルシュリースリングの貴腐独特の香木のような落ち着いた風味が、デザートの甘味を数段深いものに変え、このワインの底力を示していました。

すっかりいい気持ちになったところで、一番面倒な会計は、いつも由美さんのファンクラブを仕切る村山さんの担当: ) お疲れ様です!

ところで昨年7月、メルルの会は震災地支援チャリティー・コンサートを行いました。3.11から間もなく1年になりますが、あの地震と原発事故をきっかけにオーストリアに渡った人間として「欧州をベースに私の暮らしが成り立つ限り、細々とでもせめて年に一度くらいは、自然の猛威と科学技術盲信の犠牲になった多くの人々のために、何かを続けて行きたい」というプリンセスの気持ちを、会のメンバーに投げかけてみました。皆さんそれぞれ非常に忙しく、また様々な震災支援活動を継続されている、それに加えてのプリンセスからのお願い、ということになります。それでも皆、前向きに検討してくれるそうです。

うまくメンバーのスケジュールさえ合えば、私の次の帰国時、7月に第2回の震災地支援チャリティーができる予定です。皆さん是非いらして下さいね!

2012年3月1日木曜日

KORG サンプリング・ピアノの電源コード求む!!

20年以上前のサンプリング・ピアノ、KORG Sampling Piano SG-1の電源コードを、オーストリア引っ越し騒動の最中に誤って捨ててしまったよう。
師匠から借り受けていたチェンバロ無き今、帰国して自宅に帰ってもいじって遊ぶものがなく、プリンセスは寂しゅうございます!
どなたか電源コードだけ譲って下さる方、いらっしゃいませんか? 或いはどこか購入できるあてのある方、もしくは格安でエレピ(なるべくコンパクトなもの)をお譲り下さる、という方、piantao@nifty.comまでご連絡下さい!

2012年2月29日水曜日

ただいま~! ワイン会@代官山イル・チルコロ

本当は日曜のお昼には日本に帰っていましたが、昨晩最初のワイン会を行い、ようやく本格的に東京モードに切り替わったプリンセス。
さて、会場のイル・チルコロは代官山駅30秒の立地にある、15人も入れば満杯のコジンマリとしたイタリアン。三浦さんの暖かく明るいサービスと後藤シェフの心と技のこもったお料理、若い二人の息のあった親密な空間が魅力です。

今回の柱はふたつ。ひとつはグリューナーだけでない、オーストリアの多面的魅力を知ってもらうこと。そしてもうひとつはBartolo Mascarello バルトロ・マスカレッロの蔵出し手持ち帰りバローロマグナム1990(おまけにマリア=テレーズのサイン入首掛けラベル付き)と同じく現地購入手持ち帰りDosio ドージオのバローロ1990をイタリア料理で堪能すること。さらに付け加えるなら、ピエモンテとニーダーエスタライヒの持ち味のコントラストが描けたら最高だな、と思っていました。

午後6時半、昨日お店に持込み、お昼過ぎには抜栓をお願いしておいた2つのバローロが非常に素晴らしい状態であることを確認した段階で、このワイン会は成功!…とプリンセスは確信しました。
ゲストもワインに負けずに多彩な面々で、予想通りとっても楽しい会になりました。

最初のVilla Franciacorta Brut 2006は、熟成感もあり、前菜"ブラウンジャンボマッシュルームのフリット"のくぐもりのある旨味によく合いました。
次の"Schloss Gobelsburg シュロス・ゴベルスブルク Grüner Veltliner Steinsetz グリューナー・ヴェルトリーナー シュタインセッツ 09"は、お城ワイナリーの上級(=エステイト)ラインの中では最もベーシックなベストセラー。暖かい09の小石土壌ということで、果実味の凝縮感はあるのですが、ストラクチャーが10年などより多少緩いので、もう少し冷やしてもらうべきだった…。でも"手打ちパスタ・タリオーリ お肉と根菜のラグー"の、根菜とはとてもいい相性
同じくShcloss GobelsburgのZweigelt ツヴァイゲルト 09は、「親しみやすいがややフィネスに欠ける」ことの多いZweigeltを、オーストリアいちエレガントに造った、いわば隠れたレアもの。元々このツヴァイゲルトはSt LaurentとBlaufraenkischの交配品種。そしてSt LaurentはPinot Noirと不明品種の自然交配なので、血統的にピノのクオーター。ピノ・ファミリーの末っ子的存在。お城ワイナリーでは、大半の果実をDomaeneやGobelsburgerといったベーシックなワインに回し、このSchlossラインは最高のブドウだけで造っています。ピノの血筋にフォーカスした、なかなかの傑作! ラグーと合わせることを想定して選びましたが、実際には最後の"牛肉のほほ肉の赤ワイン煮込み"にも、バローロとはまた違った趣でよく合いました
続くHiedler ヒードラー Riesling リースリング Heiligenstein ハイリゲンシュタイン 08は、「Steinhaus 2010欠品のため、ほんの少し在庫のあった2段階くらい格上のフラッグシップワイン Heiligensteinの08ヴィンテージを、格安価格で出した」という、プリンセスのみの知り得るインサイダー情報を嗅ぎ付け「じゃ、それ飲まなきゃ損!」ということで、これは国内調達。08らしく派手なところはありませんが、エクストラクトとミネラルのしっかりと中身の詰まった味わい。その内に秘めたエネルギーが、お魚(旬魚のソテー スルメイカとトマトのソース)によって引き出された感じです。このブログにも何度も書いていますが、トマトとリースリングは毎度のことながらいい相性


そして、ふたつのバローロが注がれます。ドージオはどちらかと言えばバラの花びらなど植物的な風味の優勢な、いかにもLa Morraな品の良い個性。バローロとして、いわゆる中堅生産者のもので、90年は正直ピークを越していても不思議はない、と思っていたのですが、いえいえ、とても美しいワインでした。
一方のマスカレッロは、さすが90年。強くて豊か! バローロを"タール”と表現するのが何故だかよくわかる、お手本のように濃密なキメの細かいネットリ&クログロとしたタンニン。本当に複雑なワインで、土、ミネラル、ブルーン、チェリー、バラ、黒トリュフ、木の皮…と、時間の経過に従い、様々な表情を見せてくれます。でも、22年経過しているとは信じ難い、若々しいベリー風味に溢れます。いやあ、すごい!少なくともあと20年は美味しく味わえそうな果実味の鮮度&エネルギーです。周囲の誰もがロト・ファーメンテーション&新樽を採用し、シングル・ヴィンヤードのバローロを造る動きの中、父娘にわたって、頑固に黙々とウルトラ・トラディショナルを貫くことの潔さと、信念の強さが、ワインからビシビシと伝わってくる…。プリンセス、涙が出そうでした!
また、バローロの後にツヴァイゲルトを飲むと、正しく歳を重ねるということがいかに素晴らしいことか、また逆に若さの魅力とはどういうものなのか、をしっかりと感じ取ることができました。
さて、ドルチェに合わせる予定だったワイン(リースリングのアウスレーゼクラス)が、まだ手許に届かなかったため、プリンセスの大好きなルストの生産者、Wenzel ヴェンツェルの、Ruster Ausbruch ルスター・アウスブルッフ 06と、尊敬するサース夫人のNikolaihof TbA 01、という凄いワインのハーフを2種投入。参加者に好きな方を選んでいただきました。ただ、デザートを元々のアウスレーゼに合わせ「甘味をやや控えてフルーツの酸を生かして」とリクエストしていたため、ワインに負けてしまわないか心配でしたが、いかにもルストの貴腐らしい輝くような酸のあるWenzelは、見事にデザート"イチゴのババロア ベリーソース"をブライトに引き立てました。ニコライホーフはかなり貴腐香の強いタイプで、熟成香も出ており、ちょっとこのデザートには重く濃厚すぎましたね。




ピエモンテとニーダーエスタライヒのコントラスト、という意味では、以前内藤師匠のお店でブルネッロの会をHeidi Schoereck ハイディ・シュレックの貴腐で〆た時の方が、イタリアの豊満&妖艶と、オーストリアの透明&端正な個性の対比は鮮やかだったような気がします。ピエモンテとオーストリアはむしろ性格的に近い…今度熟成したブラウフレンキッシュとバローロの対比も是非やってみたい、と思うプリンセスでありました。

イル・チルコロの三浦さんと後藤さん、そして参加して下さった皆さん、本当にありがとうございました! 皆さんと素晴らしいワイン達をシェアできて、プリンセス幸せです!!