最初の泡、Franciacorta Rucci Crrustro Roseは由美さん持参。綺麗なサーモンピンクがお雛祭り気分を盛り上げます。ピノとシャルドネが半々というこのスプマンテは、マイルドな気候のためか、ドサージュに頼らない熟したベリーの自然な甘やかさとシャルドネ由来のソフトなミネラル&上品さが魅力。お店のスペシャリティであるマグロのタルタル(秘密のレシピ。香草使いが見事)と海鮮サラダ(鮮度抜群魚介の宝石箱の趣)の味わい&ビジュアルを華やかに彩ります。
次はプリンセスがスーツケースに入れて持ち帰った、お城ワイナリーのGobelsburger Riesling Urgestein ゴベルスブルガー リースリング ウルゲシュタイン。ヴィンテージは、まだ日本には殆ど入っていない2011年。銘醸畑の若木のブドウ主体のこのワインは、溌剌とした白い花のアロマが素晴らしい! 海鮮サラダとハマグリのチーズ焼きの美味しさが倍増します。昨晩の最廉価ワインながら、前後を囲む銘酒たちと比較しても、そのピュアな魅力はキラリと光っていました。(ひそかにほくそ笑むプリンセス: )
あー、最初の鮪のタルタルの写真を撮り忘れた!!! |
そして隠れ酒豪の呼び名も高いピアニストの林さんセレクトのTollot Beaut Beaune Blanches Fleurs 2007 …そうそう、こういう小作りで透明感溢れる品の良さはBeauneならでは!07らしいチャーミングな味わいは、 地鶏のローストと出会うと、内なる野性味や官能をほんの少し漂わせます。そして添えられたマッシュルームに合わせると、あら不思議! 強さとは無縁の個性を持つワインが、キノコの内向的で強靭な旨味を十全に引き出してくれます。
facebookでは可愛い猫の写真でお馴染みのピアニスト小柳さんのワインは、Ch Lagrange 2006。ミディアム・フルボディでキメ細かなタンニンが強過ぎず弱過ぎず、酸と果実味も完璧なバランス。典型的"the Grand vin du Medoc"な、端正ながら人あたりの良い味わい。仔羊が持つ微かな青草&ミルクっぽい風味とボルドー・ブレンドのハーバル&黒&赤ベリーのニュアンスが絶妙な組み合わせで、心もお腹も大満足!
〆は再び私の持込み。丁度10年前、プリンセスが最初にオーストリアからネット購入したワイン最後の1本! Kracher Welschriesling TBA 1998 (No.4)です。紅茶を焙煎したような「まるで教科書!」な貴腐香と、高い残糖をサラリと飲ませるだけの高い酸。クレメ・ダンジュ、洋ナシのタルト、クレーム・キャラメルの3つのデザートの中では、断然濃厚なクレーム・キャラメルにぴったり。ヴェルシュリースリングの貴腐独特の香木のような落ち着いた風味が、デザートの甘味を数段深いものに変え、このワインの底力を示していました。
すっかりいい気持ちになったところで、一番面倒な会計は、いつも由美さんのファンクラブを仕切る村山さんの担当: ) お疲れ様です!
ところで昨年7月、メルルの会は震災地支援チャリティー・コンサートを行いました。3.11から間もなく1年になりますが、あの地震と原発事故をきっかけにオーストリアに渡った人間として「欧州をベースに私の暮らしが成り立つ限り、細々とでもせめて年に一度くらいは、自然の猛威と科学技術盲信の犠牲になった多くの人々のために、何かを続けて行きたい」というプリンセスの気持ちを、会のメンバーに投げかけてみました。皆さんそれぞれ非常に忙しく、また様々な震災支援活動を継続されている、それに加えてのプリンセスからのお願い、ということになります。それでも皆、前向きに検討してくれるそうです。
うまくメンバーのスケジュールさえ合えば、私の次の帰国時、7月に第2回の震災地支援チャリティーができる予定です。皆さん是非いらして下さいね!