プリンセス、3日間Foodexでワインの試飲ブースに立ったり、セミナーをやったりしていました。
嬉しかったのは、大勢の旧い友人や知人(ワインスクールの生徒だった時代や2足のわらじでワインを売っていた頃の)が、「ここに来れば会えると思って」とオーストリア・ブースを訪ねてくれたこと。
本や雑誌記事を読んで私を知ってくれた方も少なくないよう。「本ほど手間の割に実入りの悪い仕事はない」と思っていましたが、今私は、おそらく本を書いたおかげでオーストリアで暮らすことができ、本を媒介に沢山のヒトと出会っています。感謝、感謝。
しかもFoodexでは不思議なくらい、プリンセスの過去と未来を繋ぐ連鎖円環現象がプリンセスの周囲に起こりました。
海浜幕張を目指す電車ホームで知り合ったピエモンテの生産者Ferrarisフェラーリスは、ブースを訪ねてみると、カスタニョーレ・モンフェラートのDOCGであるRucheルケ造りの中心的人物。と、そこで試飲をしているのは、リストランテxxのすぐ近くに、やはりリストランテxxを造って独立されたS屋さんや、D通出入りマーケティング・シンクタンクの更に下請けマーケティング・プランナーからワイン業界への転身を企んでいた頃、プリンセスが自宅で主催していた勉強会の仲間だったK森氏ではありませんか!!
彼らをオーストリア・ブースに誘うと、セミナー後にブースを訪ねて下さったS水氏は、K森氏のK酒販時代の大顧客であったことがわかります。
さらに当時プリンセスが“スーパーバイト”と呼ばれていた、『やxや』時代のお客様だった、当時ソムリエ、現ネットショップ・マネージャーH賀氏が、「紹介します」と連れてきて下さったF田氏は、プリンセスの過去の大クライアント様D通のコピーライター!
そして極めつけが、M役員からNリカー代表になられたO氏。「いいグリューナーを会社で探していて」と、私を訪ねて下さいました。実はO氏との国産ワン・コイン・ワイン “BMシェ”の新商品開発プロジェクトは、D通さん&マーケ会社とともにご一緒させていただいた、プリンセスがやxやの店頭アルバイト以外でお金をいただいた、最初のワイン・コンサルティングと呼ぶべきお仕事だったのです。
本当のことを言えば、当時プリンセスは、自分のしている仕事や置かれた社会的環境と反りが合わず、あまり精神的に健康とは言えない状態。しょっちゅう会社に行けなくなったり、外に出られなくなったり、電話に出られなくなったり…を繰り返していました。
でも今、こうして沢山の当時の知り合いと出会ってみると、なんだか過去の自分と仲直りをしているような、不思議な感覚に囚われました。
そして、そうした過去のつながりだけでなく、例えばオーストリアにも純粋に学問的見地からブルゴーニュ(シャブリ含む)、アルザス、フランケン、ファルツなどと同等の熱い眼差しを向ける地質学者のS本さんなど、今後刺激を与え合えそうな方々との新たな出会いも数多くありました。過去の出会いがこうした新しい出会いと組み合わされ、過去の体験が新たな側面から再編成されるとき、本当の意味でプリンセスなりのオリジナルな仕事ができるようになるのではないか、とそんな気持ちになりました。
こうした機会を創るきっかけを作ってくれたオーストリアワインマーケティング協会、オーストリア大使館商務部、そしてここ数日中に出会った様々な関係者の皆さん! ありがとうございました!
Foodexの有効性について賛否両論ありますが(そしてプリンセスも日本に居る頃は、特に近年は疎遠となっていましたが)、少なくとも今回は個人的にとても有意義な時間を過ごすことができました。