2012年5月5日土曜日

”ハンガリー” どこよりも新しいワイン大国

学校の特別クラスでハンガリーに来ています。
ブダペストでの授業を終え、昨日はエゲル、今日はトカイを回ります。

オーストリアの隣国でありながら、なんて対照的な国なんでしょう!
気候(なんたってパノニア気候っていうくらいでずっと暑い)も土壌(火山性土壌が大部分)も、文化(そもそも民族的にヨーロッパの孤島的にアジア系)…と何を取っても大違い。造られるワインもゼーンゼン違います。
とは言うもののオーストリア=ハンガリー帝国であった時代も長く、ブラウフレンキッシュ(こちらではケクフランコシュ)やらヴェルシュリースリング(同オラース・リースリング)、そしてご存知フルミント(は、なんと言ってもハンガリーが本家でしょ)などなど両国が"固有地場品種”を主張するなど、ブドウ的には重要なモノがカブっています。
では、何がこの国のワインを捉える上で一番大切なのか…
社会主義だった50年間ではないかと、プリンセスは思っています。
50年の間に古木は抜かれ、伝統的家族経営ワイナリーはその存続を断念せねばならず(民主化後買戻しの動きもありますが)。…つまりオーストリア同様修道士によって築かれた長い伝統を失うのに、50年というのは十分長い時間であった、という点です。
それでも、彼らは過去植えられていたブドウを知っています。過去の銘醸畑も、当時の仕立方法も、生き証人のような人々がまだ残っていますし、その気になれば文献に残っていますし、…。
多くのニューワールドが、土地に適したブドウを見つけるところからスタートし、仏のメジャー産地以外のおそらく世界中のワイン産地がインタナーショナル品種&新樽信仰を経て今に至るのと異なり、大半のワイナリーがそのトレンドの最中或いは後に設立されている、という特殊な国ハンガリー。

では、エゲル&トカイ訪問報告を月曜以降にお楽しみに!