年が明けて以来、ベーシッククラスのボトルングに大忙し |
11年は特に赤が素晴らしかった、ということでまだマロ中のワインも多いのですが、まず赤のファスプローベ(バレルテイスティング)を決行。
最初に試したのがStラウレント ハイディグルントSt Laurent Heidegrund 。いや、のっけから深みと透明感のある果実味が素晴らしい! マロが終わったばかりの未サルファー状態でこんなに美味しくでいいのかしら? いや、その状態だからこそ美味しいのか?ピノ・ノワール アルテ・ハイデPinot Noir Alte Hide はクローン別に3樽をテイスティング。クローン違いなんて、畑違いに比べれば小さい、と言うヒトもいますが、3樽の差はかなり大きい。アルコールで1%以上の差があるし、果実味の立ちかたも随分違います。Dijon cloneばかりがもてはやされますが、テイスティングした中ではハイリゲンシュタインの古木からのセレクションが一番プリンセス好みの味わいを出していました。
ツヴァイゲルト ハイデZweigelt Heideは、一年使用樽のはずなのに、今までのワインの中で一番樽風味を感じたので、「樽が違うの?」と聞くと「うーん、ちょっと澱が足りないから澱を足そう」との返答。
樽風味の強さは新樽比率や樽熟成期間だけでなく、果汁のアルコール度、エクストラクト、そして澱の量など様々な要素が関連しているのですね。
Merlotもミディアムフルのボディと果実味、そしてタンニンのバランスが非常にいいのですが、やはりピノ系ほど個性や必然性を感じません。
全体として、収穫直前の9月後半から10月には気温がしっかり下がっていたことで、赤白とも心配された酸の低下はまぬかれ、06や09よりむしろ高い酸が得られています。
白は、既に一部のボトリングが終わっているベーシック・クラスで見る限り、乾燥した年に強いリースリングのコスパが抜群!
GV、特にレス土壌のワインには、糖度の急激な上昇と果皮が厚くなりすぎる問題があり、収穫時期やスキンコンタクト時間、プレスなどに工夫が必要だったワイナリーが多いようですが、お城ワイナリーはあまり純粋なレス土壌の畑を多く持ちませんので、11年はセラーワークのとても楽な年だったよう。それでもGV Loess Terrassenには少し苦みを感じました。
面白かったのはSteinsetzのタンク違い。最初のタンクは既にシュタインセッツらしいミネラル感が出ていますが、2つめのはやや甘くミネラルが少ない。…と言うと、「2つめは若木からの果汁」だと教えてくれました。成程。
既にボトルングもされているゴベルスブルガーGobelsburger GVとウルゲシュタイン リースリングUrgestein Rieslingのタンクサンプルも試してみましたが、GVはLamm, Renner, Grub、UrgesteinはHeiligensteinとGaisberg、というエアステラーゲの若木のブドウから造られるこの二つのワインは、その価格からは信じられない、シリアスなワイン飲みをも納得させるテロワールを感じさせる味わいで、特にUrgesteinはこれまでで最も素晴らしい出来、と言ってもいいのではないでしょうか。
エアステラーゲものもいくつか試しましたが、まだまだ味わいは日々変化しているようなので、ボトリング直前に改めてご報告します。