2011年12月12日月曜日

本当のプリンセス

プリンセスの東京のお城には、10年前まで実は本当のプリンセスがおりました。
名をプチ、といいました。
テーブル右端、置物のようにたたずむのがプリンセス・プチ
 10年経った今も、こうして久々に帰宅してみると、あのソファ、あの窓枠、このヒーター、その椅子、あのコーナー…、この家のあらゆる場所が、プリンセス・プチとともにあった、その残像を留めています。
ベランダ、台所、廊下、書斎、寝室…プリンセスが自由に行き来できるよう、
ドアというドアは冬場でも開け放たれておりました。

嬉しいときは、ご覧のように耳が後ろ側に寝てしまい、顔がまん丸になりました。
我が家ではこの状態を”マルコス”と称しておりました。

ベロ出しチョンマ。この舌で家族を舐め回すのが、プリンセスの愛情表現です。
この熱いディープ・キスに耐えなければ、プリンセスと愛情を交わすことはできません。

プリンセスは毎朝きちんと身嗜みを整えます。
ときにはこんなマチコ巻きにも挑戦。サイケなペンダントも多数所有しておりました。

お得意”ごめんちゃい”のポーズ。
悪事を働くと、このポーズで赦しを乞います。
因みに”バーン”とピストルで撃つ真似をしても、寸分違わぬ“死んだ”ポーズで応酬 : )
 丁度10年前の今頃、正確な日取りは記憶にありませんが、私が外資系スーパーのワインバイヤーで、新店の開店準備に追われ毎晩帰宅が午前0時を過ぎるような生活をしていたある夜中の2時過ぎ。 いつもの玄関での出迎えがなかった代わりに、冷蔵庫から食べ物を漁る私の気配に目覚めたのか、私から豆粒を満足そうにせしめ、寝床に一旦入った私をペロペロと舐めに訪れ、きちんと最後の挨拶をして(今にして思えば)、その翌朝早朝、短い心臓発作の後、天国に昇っていきました。18歳でした。

超がつくほど陽気でヒト懐こいプリンセスは、当時私が自宅で行なっていたワイン会のアイドルでもありました。

十周忌にあたり、皆さんとともに我が家のプリンセスの冥福を祈りたいと思います。