昨晩はフルーティストの山形由美さん主催のワイン勉強会“メルルの会”の帰国特別お食事会。
ヴィーノ・デッラ・パーチェで行ないました。
パーチェでのワイン会は、毎回テーマを変えながらの3度目で、昨晩のお題はトスカーナ。
勉強会の講師役の私が内藤師匠とワイン&お料理について事前に詰めるのですが、私がどうこう言うより、内藤師匠にゼーンブお任せした方が素晴らしいに決まっているので、いつも極々簡単なリクエストを伝えるのみ。
今回もお願いしたのは、1) 最後に飲み頃のブルネッロが飲みたい。 2) どちらかと言えばトラディショナルな造りが好き。 3) 季節柄ジビエを何か入れて下さい。ただし、あまりクセの強くないもので。…と、それだけ。
最初の泡と私が特別にお願いして持ち込んだ〆の貴腐ワインを除いて、オール・トスカーナ。それはまあ、会の趣旨からして当たり前なのですが、"ひとつくらいは飲み頃の美味しいブルネッロが飲みたい”という私のリクエストに、なんと200%、いや500%応えて下さった、オールブルネロ絡み、と言っていい構成。
Tosco 06 Villa Poggio Salvi 濃い黒系果実主体のキャンティ、という風情。既に熟成感もあって、のっけから美味しい!
Rosso di Montelcino 07 La Gerla これは抽出の柔らかい独特のスタイル。とてもチャーミング。
Rosso di Montalcino 98 Salvioni おお、濃厚!前者との差は造り手のスタイルの違い? それとも90年代と昨今のトレンドの差か。両極端なRosso。
Brunello di Montalcino 96 Salvioni これも濃いのですが、テクスチャーがより緻密で、糖蜜を思わせるブルネッロ特有の退廃的魅力ムンムン。
Brunello di Montelcino 95 Capanna 折り目正しく控えめ。最初やや地味でしたが、ジワジワと旨みが開いてきます。キレイなイチゴ風味が残っていて、レアに焼いた鹿と絶妙な相性。
Heidi Schroeck Ruster Ausbruch 04 透明なミネラルと極甘の背筋を通す高い酸。最良のルスター アウスブルッフの典型的味わい。
これだけブルネロの兄弟姉妹を飲むと、おのずとサンジョヴェーゼとネビオッロの(これがブラインドで片方だけ出されると意外に判別がムツカシイ)、そしてキャンティとブルネッロの違いが見えてきます。ブルネッロというのは、卓越した生産者の手にかかれば新樽&結構強めの抽出、という化粧映えがするタイプのワインだ、ということも。
ハイディのアウスブルッフは、内藤師匠のコメントがワインに負けず劣らず美しく、プリンセスは心の中で感涙にむせんでいました。
イタリアとオーストリアが並ぶと、改めてイタリアの豊満で濃密な色香と、オーストリアの研ぎ澄ました透明感の対比が浮き彫りになりました。
いやはや豪勢なお食事会。このあとグラッパまでいただき、すっかり昇天したプリンセスでありました。