プリンセスは以前のブログに「オーストリアワインと言えば、ホイリゲとモーツアルト、ベートーヴェン、シューベルトしか切り口のない日本のワイン業界の現状を「悲しい」と書きました。
「ホイリゲ」という言葉だけが、その本来の意味を理解されることなくひとり歩きする現状を憂えました。
けれどあの後、某ミーティングで「何事も一歩一歩、段階的に」と指摘されハッとしました。
せっかく芽生えつつある市場の「きっかけ」を、応援団長を自任するプリンセス自ら冷や水をかけてどうする?
そう、今我々オーストリアワインに関わる全てのプロが一緒に考えねばならないのは、まずワイン産地としてのオーストリアをいかに認知してもらうか。
そのためにはホイリゲ(酒場)の『場』としての、そして『解禁日の時限的ヴァリュー』をどうやって最大限活用できるか。さらに、作曲家やお城、宮殿などの音楽&歴史モノのネームヴァリューやセッティングを利用することで、毎年大挙してウィーンを訪れる観光客、ザルツブルクを訪れる音楽愛好家などのワイン需要をいかに掘り起こすか。…といった基礎固めが必要です。そしてそこをクリアして初めてどうやって本格的オーストリアワイン・ファンを育てて行けるか、が議論できる、という王道の道筋が見えて来ました。
まあ、そうは言っても、王道は王道。かくあるべしは百も承知ですが、プリンセスの得意技は断然抜け駆け、奇襲、目くらまし、肩透かし、けたぐり…: )。当然のことながら様々なゲリラ戦も展開して行きますよー : ) 。ゲリラ戦を一緒に戦えそうな同志にも色々な場所でしっかり巡りあえましたし。
元々生産量が少なく知名度も低い割には品質は断然高い(ついでに価格もお安くない)オーストリアワインには、むしろゲリラ戦の方が似つかわしいし、この低価格プレッシャーの嵐の中、フツーにやっていても埒が明かない、と思っているのはプリンセスだけ?
帰国期間中、様々な立場の業界人や消費者と接することで、色々なアイデアが浮かぶとともに、自分にできること、できないこと、本当にやりたいことへの見極めも進みました。
プリンセスにミーティングやワイン会などで直接会ってくださった、或いはメールやfacebookで意見を交換させて下さった全ての業界人、消費者、そして友人の皆さん。加えて世界に誇る日本の美味しいお食事を食べさせて下さった、素晴らしいワインを日本酒を飲ませて下さった飲食店の皆さん。
ありがとうございました!
明日プリンセスはオーストリアに戻ります。ウィーンのクリスマスを凍え死ぬまで : ) 満喫する積りです!