ざざっとセラーとその奥の樽貯蔵庫を案内してもらったところに、オットのケラーマイスターのギュンターとマーケティング担当の女性(ゴメン、名前忘れた…)が車でやってきます。
そして、彼らのヴァンからカティがフォークリフトでドルリの掘立小屋セラーに運び入れたのは…
当時は1年に1,2度しかオーストリアを訪れるチャンスもなかったし、常にタイトなスケジュールだったこともあるのですが、彼の方もあまり取材に乗り気でないようで、いつも話は立ち消えに。
そうこうしているうち08年が来ました。とにかくうどん粉病とベト病が大蔓延した大変な年で、この年ゲルノート・ハインリッヒを筆頭に、ロランド氏のコンサルを受けていたビオ転換中(オーガニック認証のための最終年)のワイナリーが、甚大なカビの害を蒙り、09年初頭に2冊目の拙著の取材でプリンセスがオーストリアを訪れた時には、それだけが原因かどうかはわかりませんが、少なからぬ重要顧客が彼との契約を打ち切る、或いは関係を後退させる、という事態となっていたのです。その後彼はアメリカ(だかスイスだか)に帰った(彼はスイス系アメリカ人)、という噂を聞いていました。
そうこうしているうち08年が来ました。とにかくうどん粉病とベト病が大蔓延した大変な年で、この年ゲルノート・ハインリッヒを筆頭に、ロランド氏のコンサルを受けていたビオ転換中(オーガニック認証のための最終年)のワイナリーが、甚大なカビの害を蒙り、09年初頭に2冊目の拙著の取材でプリンセスがオーストリアを訪れた時には、それだけが原因かどうかはわかりませんが、少なからぬ重要顧客が彼との契約を打ち切る、或いは関係を後退させる、という事態となっていたのです。その後彼はアメリカ(だかスイスだか)に帰った(彼はスイス系アメリカ人)、という噂を聞いていました。
一方アンフォラは、ヨスコ・グラヴナーの影響を受け、シュタイヤーマークのムスターやヴェルリッチあたりが07年頃から始めたのがオーストリアでは最初と思われますが、その後オットのアンフォラワインが商業的成功を納めたあたりから、「猫も杓子も」の様相を呈すようになり、今ではヴァッハウの協同組合まで、アンフォラ醸造実験を行う : )、という有様。
ヘソ曲がりのプリンセスとしては、なんというかその、新しい流れを作る動きには興奮しても、『かつて話題のヒト』と『流行のお尻に乗っかるアンフォラ』という組み合わせに、イケテないものを感じた、と言ったらいいのでしょうか。
しかーし!
プリンセスがどう感じようが、ワインにとっても、おそらくこのブログを読んで下さっている皆さんにとってもどーでもいいことですよね。
そうです。問題はワインがどうなるか、ってことなのです。
ドルリのブラウフレンキッシュは、彼女も最初から言っていることなのですが、世界的にオーストリアワインに求められるもの、つまりクールで繊細でエレガントなもの、さらにプリンセスの言葉で言い直すなら、冷涼地の白ワイン的な美質をブランフレンキッシュに転写しようとした試みです。
だから醸造上は1.過剰な或いはラフなタンニンをいかに抑えるか、というのが重要な課題となります。また2.新樽のタンニンと風味も邪魔なのです。
1のタンニン・マネジメントの技法として、フットストンピング、木製垂直バスケット・マニュアル・プレス、発酵が完全に終わる前のプレス(ニーポートのディルクが得意とする手法ですが、トルブレックのデイヴィッド・パウエルもやってます)…などの手法を用います。
そして2の”新樽からのタンニンと風味”を排除しつつ、きちんと空気に触れさせワインを熟成させるために、彼女は上質の使用済み小樽&中大樽を譲り受けて使用しています。で、どうしても使用樽の調達が間に合わない場合にのみ、フランソワ・フレールの新樽を購入するそうです。
F・フレールのセールスマンが新樽の売り込みにやってきたそうです。彼女は「新樽は嫌いだから」と断ったのですが、どうしてもひとつ置かせてくれ、というので、樹齢の古い最高のシュピッツァーベアクのブドウを新旧両樽に入れてみたそう。
その結果、意外なことに彼女は新樽のワインの方が好きだった、と。勿論新樽の風味は不要なのだけれど、旧樽にはそれぞれの過去のストーリー(科学的に言えば、使用による微生物の繁殖?)があって、それがワインに影響を及ぼしてしまうけれど、新樽は樽風味さえ除けば、まっさらにピュアだ、と。そのピュアさが好きだ、と。
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粘土の壺の外側は、このような粗いセメントのようなもので固められています。 |
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セラーの奥手の元家畜厩舎のようなところに、さらに樽の貯蔵倉庫が。 |
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中はこんな感じの地上倉庫。 |
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内側は蜜蝋でシットリ。ほんのりいい香りがします。 |
アンフォラを触ったり覗いたりした後は、各畑のブドウの収穫日を決めるためのブドウ試食回り?をするドルリとカティに同行しました。
…to be continued