2012年9月28日金曜日

クリスティアン・ライテラー…シルヒャー&シルヒャー・ゼクトの立役者 その2

さあ、シルヒャーのテイスティングです。

最初はシルヒャー・クラシック(或いはクラシーク)2011。木イチゴ、カシスなどコンパクトでクールなシルヒャー独特の香り。ヴィンテージ柄、比較的優しい酸…とは言っても、他のワインにはない凛々しい酸。
朝シャン用にはシャンパーニュなんかより絶対シルヒャー・クラシックの方が覚醒効果は高い、と、プリンセスは思います。

続いてワイナリーの前に広がるLambergランベアク畑の2011年。
土壌は典型的なシストや片麻岩。クラシックをスケールアップしたような味わい。果実味もミネラルもより深さと力強さの増す分、酸はクラシーク程前面に出ず、ワインとしてのバランスがより高くなる。ワイン単体としても十分な個性がある。



以上、ランベアクLamberg畑
そしてお次は隣町DeutschlandsbergドイチュランズベアクのRiemerbergリーマーベアク畑の2011年。非常にキメの細かい砂&石灰の多いローム上の土の下はこの辺共通のシスト&片麻岩。
このワインの印象が3年半までの前回訪問時と一番異なった。08年のラーゲンヴァインの中では古木のエンゲルヴァインガルテンが光っていたが、2011年に関しては、このリーマーベアクの豊かな、他と少し個性の異なる、より透明感と磨きのかかった華やかな果実香味がなかなか魅力的。やはり暖かい年は原成岩(熱さ&エネルギーを与える)より石灰岩土壌(クールさと余韻の伸びを与える)のワインの方が利するところ大なのか?




以上Riemerbergリーマーベアク畑
そして最後に控えしはエンゲルヴァインガーテン アルテ・レーベンEngelweingarten Alte Reben 2011年。果実風味の傾向としては(そして土壌も)ランベアクに近い。けれどさすがは40年以上の古木。果実味は滋味に溢れ、静謐な深みがある。シュトローマイヤーのブラウアー・ヴィルトバッハー ロゼ(このヒトはMLFをするのでシルヒャーとは呼ばない)などと並び、ファイン・ワインとしてのシルヒャーの可能性を示唆するワイン。


以上Engelweingartenエンゲルヴァインガーテン畑
プレスと発酵タンク。なんと屋外に!
収穫風景。ただし画像は全てライテラーのサイトより。
訪問当日は購買ブドウの搬入でテンヤワンヤ。
邪魔になってはいけないので、
とてもこんなノドカな写真は撮れませんでした。
今、アテンドやら取材やらの最中に家に帰って、チョロっとこれを書いてます。1時間後にはヒルシュを訪ねるので、ああ、もう時間切れ。
超特急インタヴューとあるワインのテイスティングから印象づけられた、ライテラーの未来についてのお話は、また次回にでも。