ああ、もうあの衝撃的ショーから丸々1週間が過ぎてしまったのですね…。
プリンセスが、シェンベアガーの2000年グリューナー・ヴェルトリーナーの、はっきり樽が強くかかっているのに、とっても美味しい訳を酔っぱらった頭で考えているときに出会ったそのヒトは、下の写真に映っています。
では、正解を拡大しますね。
実はプリンセス、この写真を撮っている時点で彼の存在に気づいていませんでした(写真より実際はかなり暗かったし)。だってまさか、こんな一般人のイベントにポツンと彼が紛れ込んでいるとは考えられないでしょう?
で、「うーん、誰のワインに似てるんだろう…」と色々思い巡らせているとき、まさにバッタリと出会ったというか、オールドヴィンテージを注ぐ列に並んでいるときに、至近距離に立っていて、互いに「まさか?」という感じで目が合ったのです。挨拶を交わした途端に「ああ、そうだ、彼のGV St. Georgenだ!」と、疑問の一部が氷解。St Georgenの方がずっと新樽率は低いでしょうけれど。
ローラント・フェリッヒとギュンター・シェーンベアガーの組み合わせというのは、ワイン(特に赤)のスタイルからはちょっと意外…。「仲がいいの?」と聞くと「…というか、ずっと彼はいいワインを造っているしね。昨日来ないか、と電話があったので、どういう集まりかも知らずに来たんだよ」との答え。
けれど共通点もあって、どちらも業界にお友達の多いタイプではなさそう : )。所謂我が道を行く一匹狼にプリンセスには見えます。
思えばこのとき、もっと突っ込んで彼のワイン造りとギュンターのワイン造りの違いについて尋ねておけばよかったのですが、何せ例ののけ反ったお色気ショーの後のこと。プリンセスも、もうすっかり酔いが回っていますし、その場は日本文化に大きなリスペクトを寄せるローラントと、日本市場やら原発事故のその後などについて世間話をして別れてしまいました。
当のギュンター(シェーンベアガー)も、20周年記念の主役ですから、常に誰かと談笑しており、繰り返しますが、例のショーの後にワインについてのテクニカルな質問をするような雰囲気では間違ってもなく、しかも「まだノートなんか持って飲んでるの?」と笑われてしまう始末。
最後におやすみなさいの挨拶をする段になって、「本当は色々聞きたいことがあったんだけど」と切り出してみると「じゃあ、明日の朝、帰る前にウチに寄ればいい」と、思いもかけない答えが返ってきました。既に時間は2時を大幅に回っています。
プリンセス、その晩はギュンターがまだ醸造施設も買えない時代に、彼が間借りをしてワインを造っていたというワイナリー”シンドラー”のフランツ・シンドラー氏に丘のてっぺんのB & Bまで車で送ってもらい、顔も洗わず服も着替えず、そのままベッドに倒れこんでバタンキュー。
翌朝、まだお酒の抜けきらぬ図々しさで「本当に伺ってもいいですか?」と、何せ昨晩約束をした時間も時間だったし、半信半疑で電話をすると「これからワイナリーで仕事があるので、1時間半後くらいに家を訪ねて欲しい」とのこと。
朝食をし、B & Bの支払いを済ませ、坂道を下って、メービッシュ・アム・ゼーのメインストリートにあるお宅を目指したのでありました。
to be continued