2011年11月15日火曜日

さてこれは何をしてるところでしょう?

下の写真、何をしているところかわかりますか?

結構ギッシリ固められていますが、ホールバンチなため、梗が緩衝材の役割をしており、プレス自体はとても柔らかい。
ほぐすのに結構ちからが要りそう。
しっかりほぐします。
実はこれ、お城ワイナリーの貴腐ワインの1回目のプレスの滓。
貴腐のプレスにヴァーティカルプレスを使っているワイナリーは、この辺りでも少ないので、ちょっと作業の様子を見まてみましょう。
まだ水分を結構含んでいるので、かなり重い。
カーナーさんは何をするにも状態をチェックするのを忘れません。

ひとつの作業が終わると、即清掃。
何度も書きましたが、こういう努力がきれいな味わい、そしてSO2減にもつながります。
ここまでの作業は朝7時半頃。
1回目の搾りかすを大きなバスケットに入れ、再度プレスに入れて、昼過ぎまでフリーラン(まだ出るんです)を取って、更に2回目のプレスを行ないます。

今日はプリンセスは崩御前最後のウィーン。都で3つのミーティングとプレス・イベントをこなして来ます。

なので、とりあえず土曜にハイリゲンシュタイン畑で収穫した貴腐ブドウが昨日どんな様子になっていたか、写真達を時系列に公開しておきます。

まず、午前中。一回目のプレスとその搾りかすの処理、つまり上の写真の前に起こった出来ごとから。
土曜に収穫した貴腐ブドウは月曜の朝までプレスに入れたまま、フリーランが流れるようにしておきます。
ホースを伝って下の階の小型発酵タンクに果汁がたまるようになっています。
プレスをマニュアル操作にして、ゆっくりゆっくり、状態を確認しながら絞ります。



ブドウをひとバスケット(大)入れるごとに、青い網網のマットを敷いていきます。

完全に搾りかすが出たら、フォークリフトで運びます。

それを再びバスケットに入れます
こんな感じ。
で、ここからが最初にご紹介した、ほぐしてバスケットに入れる作業。
さらにバスケットの中の搾りかすをプレスに入れて、朝の作業は終了。
ここからが午後です。
2度目のフリーランはかなり色は濃いですが、透明度は高い。
こんな感じ。
ここでちょっと、先週訪ねたヒードラーの貴腐の搾りかす(といってもこちらはネウマティックプレス)の様子をご覧いただきましょう。

にごり方、不純物の混ざり方がずっと重篤でしょう? 
だからこちらは、これをフィルターにかけてから発酵させる必要があります。
再びここから、お城ワイナリーのヴァーティカルプレスに戻ります。
2度目のプレスが始まり、果汁が流れ出る様子。

2度目のプレスもここに加えられます。TBAはこれだけしかできません。
詳しい解説は、また明日、今日のブログに書き足します!

ということで、後は酵母を加えて発酵させます。全てTBAになるようです。
「何故貴腐にヴァーティカルプレスを使うの?」と、聞いてみました。
「絞る時には手間がかかるけど、後の果汁の処理が楽だから」というのが答え。
なるほど、ヒードラーでは搾りかすはフィルターにかけてから発酵に廻すし、フィルターも色々試行錯誤して選んでいるようでした。
そうなんです。ヴァーティカルでは梗がプレス圧の緩衝材の役割をしてプレスが柔らかくなるだけでなく、梗が一種のフィルターとしての役割も果たしており、だからうちのトラディションや貴腐は清澄作業を必要としません。

と、昨日のブログに律儀に書き足しをしている私。
果たして何人が読み返してくれるのかしら?????