2012年1月22日日曜日

本当のお宝は内緒 : )

土曜日、またまたWeinviertelヴァインフィアテルに行って来ました。

今回もヴァインフィアテルの西部を訪ねました。
プリンセスは正直、ヴァインフィアテルで大したモノが見つかるとは思っていなかったんです。「超廉価で、結構いけるグリューナーが見つかればいいな」とか「有名産地のベーシック・クラスの質をもう一歩安い価格で探せないだろうか」とか、そういう方向性の期待だったんです。
先週訪ねたゼーハーの機械収穫後の畑。房の梗の残る木々は『残骸」といったイメージ。
ヴァインファイアテルのブドウの6割は機械収穫ですが、昨日訪ねた2人は全て手摘み。
ところがスゴイお宝を見つけてしまいました! 

そこそこ良くって格安、みたいなレベルでなく、真正銘一級品!! 
スタイルこそプリンセス好みの透明感溢れる押し付けがましくない(この良さを凡庸と勘違いしてしまうヒトも多い)オーストリアらしいものですが、味わいの核に決してブレない、彼らしさと各々の畑らしさがひっそり、しかし毅然と控えている感じ。

人間って不思議なものですねお宝が凄すぎると秘密にしておきたい、という気持ちになってしまいます: )。
彼、ノベアトがお宝の主。
セラーに眠っていた99のSBとGVを開けてくれました!
これらがまた、驚きのフレッシュさ…


弁護士のお兄ちゃんルドルフが趣味で造るGV süß(500ml)は
ある意味ノベアトのワインよりさらに凄かった!!!
なのでこの生産者については、次回帰国時に数本(例によって私が「買わせてくれ」と頼んでいるのに「友達になったから、持って行ってくれ」と太っ腹で下さったもの)を携え、運の良い方々とのみ、ひっそり共有したいと思います。
お楽しみに!

そして午後はツェレルンドーフのプレヒトゥルへ。
このヒトはGVのスペシャリスト。ダブルギイヨの剪定指南を畑でしてくれました。
この辺りには右に見える花崗岩土壌が多い。
夫人ペートラはヴァインアカデミカー。周辺の地質を詳しく説明してくれました。
プレヒトゥルのGVは、クラス別、土壌別に6種類あります。
ヴァインフィアテルを集中して回ってわかったことは、
1)ヴァインフィアテルは広い。全体で捉えずに、主要な村の塊で個性を捉えるべき
2)DACの普及で一層"Weinviertel=GV"的イメージが定着しつつあるが、GVがここを席巻したのはハイカルチャー以降のこと。Weinviertel本来の地ブドウ(i.e., Brauner Veltliner)は全て絶滅してしまっている中、GV以外の品種にも光を当てなければ、この産地の本当の可能性は見えて来ない
3)大別して、レス~ローム(重さ様々)、原成岩、ムシェルカルク、の3種の土壌があるが、石灰含有量が多い畑も多く、意外にピノ・ノワールのダーク・ホース的産地になる可能性がある。
4)風の強い冷涼な気候+灌漑不能の環境は、上手く生かすとbioに適合する。また、同環境は風味の凝縮に最適なので、土壌を上手く選べば、シュタイヤーマーク同様、クール・アロマ系のワインを造るのに最高の環境

夕方、小雪のちらつき始める中、ウィーンに向かうシュネルバーンに飛び乗って、ウィーン在住13年の清水夫妻とイタリアン・ホスピタリティー溢れる、陽気なAl Borgoでビジネス・ディナー。

いつものようにプリンセスは何の遠慮もなく、よく飲みよく食べ、していたのですが…。ご馳走していただいた上、奥様にタクシーでホテルまで送っていただきました。大変恐縮…。
〆ワイン@al Borgoはシチリアのネロ・ダーヴォラ。この品種のイメージを覆す、とてもエレガントなワイン。
おっと、リモンチェッロをグイっと出掛けに頂いたが本当の〆でした。
清水夫妻、ノベアト&ルドルフ、フランツ&ペートラ、そしてミッヒ。色々お世話になりました有難うございました


さて、明日はゴルスで3つ、ヨイスでひとつ、ワイナリーを訪ねます。