しかもこれから日本に帰るまでに、オーストリア全土を駆け巡りできるだけ多くのワイナリーを訪ね、11ヴィンテージの取材をせねばならないし、色々仕込まねばならないイベント案件なども目白押し…。
畑の作業を監督することはあっても、実作業をしているのは見たことがありませんが、 ミッヒったら、やらせるととっても堂に入っています! |
昨日はオーストリア最初のMWであり、プリンセスの通うルストのヴァインアカデミーの校長であるペピ・シューラーPepi Schuler MW、カルロ・マウワーCaro Mauer MW他数人のMW率いる50人あまりのMW 1st year studentsがお城ワイナリーを訪れました。
1年目教育セミナーの一環として行なわれたのは;
1)ニーダーエスタライヒを代表する5人の生産者(Willi Bründlmazer, Josef Mantler, Markus Huber, Roman Pfaffl, そして我らがMichael Moosbrugger)直々の指導を受け、お城ワイナリーのトップ・リースリング畑であるHeiligensteinハイリゲンシュタインで剪定実習
2)Domäne Wachauドメーネ・ヴァッハウの役員であるローマン・ホーファートRoman Horvath MWを加えた6ワイナリーのガイデット・テイスティング
3)セラー内での雰囲気抜群のセッティングでのランチ
ラムの麓でバスを降り、歩いてハイリゲンシュタインへ。 |
剪定が行なわれたのは、南北にヴァーティカルにブドウの植えられたグリューナーの畑ラムと、東西にホリゾンタルに木の植えられたリースリングの畑ハイリゲンシュタインが、丁度交差する地点。ハイリゲンシュタインの最下部分です。
こちらリラ仕立のGVラム畑 |
ラムの上部が、ハイリゲンシュタインですが、ここだけ東西に並んでいます。 |
今年ブドウをつけた梢の中から来年の新梢をつけさせる枝と予備枝の二本を選び、他を切り落とすのが基本。 |
で、長い枝をワイヤーに沿わせるのですが… |
その長い枝は、新しい芽が7,8芽出るようにするのですが、予備も含め10芽分数えて残します。 |
芽数を数えたら、先っちょをこうしてはさみで切り落として。 |
長い枝をワイヤーに沿わせ、予備枝は2芽ほど残して短く切って完了。 |
なるべく低いところの梢を選ぶのが基本。 |
で、枝をワイヤーに沿わせて…。日本でも大人気のイケメン、マークスも渾身の指導! |
リースリングはこうして弓状にして枝元の樹勢を抑えます。 |
セップ・マントラーが解説している相手はドイツ人のカーロ・マウワーMW |
あらら、セップったら可愛いお姉ちゃん専門で個人教授? |
生徒も真剣、先生(ローマン・ファッフルJr)も真剣! |
「そうね、こっちの枝を選ぶっていう選択も有り得るよね」とローマン。 |
何故か信者が神父に懺悔する図に見えるのはプリンセスだけ? |
太い枝が必ずしもいいとは限らない。太い枝は却って折れやすい。 |
「この木の去年の剪定方法だと、どんどん木が高くなってしまう」と、堂々と他人の畑にケチをつけるヴぃりー:) |
プルーニングの要点を記したパウチ・シートが配られました。 これ、お城ワイナリーで言葉の通じない東欧からの新米労働者にも使うのかなぁ? |
ペピ・シュラーMW。私の校長先生! |
向かって左が日本人/英国在住MWの田中麻衣さん。右は英国のMW(お名前失念)。 |
お城へ入る壁の地図で、この辺りの土壌の解説を始めるヴィリー。 |
ピンクの柱の前に中腰でいるのがドメーネ・ヴァッハウのローマン・ホーファートMW |
「本当に伝統的な考え方で、今造ったワインがどういう味がするか実験したワインがTradition。 新樽熟成、バトナージュ、MLFは、実は全部近現代の発明さ」と我がミッヒは熱弁。 |
若手のホープ、マ-クス・フーバー。彼の06 Riesling Bergの素晴らしさに会場からため息が。 |
「僕はMWだけど剪定の専門家ではないので」と、テイスティングから参加したローマン。 |
セラーで蝋燭を灯しての、なんとも雰囲気のあるランチ。ミッヒとヴィリーの顔が見えます。 |
身を乗り出して話しこむ生徒とマークス。 |
樽に入っているのは10年と11年の赤。 |
各ワイナリーが持参した新旧ヴィンテージの銘穣畑もの。一番古い物は81年。 ワインの詳細はまたの機会にでも。 |
何よりスゴイと思ったのは、自分のフラッグシップ畑を他の生産者に公開するミッヒの度量に加え、しかも他の生産者が堂々と「この剪定は良くない例」などと、はっきり生徒に解説していたこと。
剪定の解説や、ガイデット・テイスティングの様子はビデオに収めたので、機会があれば公開の許可は得ていますが、何せプリンセスはMW studentとしてではなく、お城付見習フォトグラファーとしての参加だったので、やれ「資料が足りない」だの、やれ「そこのドアを閉めてくれ」だの、始終邪魔がはいる中、しかも自分もおこぼれのワインをテイスティングし、メモを取る、というアクロバットをしながらの撮影でしたので、とても見苦しいモノであることはご了承下さい。
日本でこれを読んで下さっている全てのワインのプロ、そして愛好家の皆さん。
やっぱりワイン商人の本場イギリスの教育レベルはとっても高いし、その教育とワイン生産地での実習を組み合わせたプログラムは、タメになるなんてものではありません。
MWや生産者に自由に質問のできる(そして彼らの間で議論が始まったりする)フランクな雰囲気は、何モノにも替え難いと改めて感じ入ったプリンセスであります。
※すみません、今日はフォント背景の色が病気ですぅ…
MWや生産者に自由に質問のできる(そして彼らの間で議論が始まったりする)フランクな雰囲気は、何モノにも替え難いと改めて感じ入ったプリンセスであります。