2010年4月20日火曜日

暗闇ワイン会 18th April

テーマ:マルゴー2004水平(テイスティング・コメント&結論はブラインド時のもの。シャトー予測は、アペラシオンと出ているワイナリー名だけ明かされた時点での推測)

総評:最終的には小さな年のカベルネの比率のあまり高くない左岸、セカンドラベル交じりの水平、という正しい結論に落ち着いたものの、品種個性もテロワール個性も希薄で、最初は特定が非常に難しかった。04年はまだまだ若々しく、熟成のポテンシャルは予想外にありそうだが、果実味に膨らみや深みがなく、総じて非もないが、マルゴーの個性を感じさせる、というポジティヴな意味とは反対の意味で驚くほど似通っており、面白みに欠ける。

1. Ch. Giscours 04 Margaux 3em classe
Comment: 黒系の熟したベリーに甘いトーンのオークがよくこなれた、人好きのする香り。果実味は熟成が始まっているものの、まだまだ若々しい。酸中、タンニン中+、13.5%程度のアルコール、ミディアムフルボディ、長めのフィニッシュ。樽中+。
Conclusion: Very good. バランス良く好ましいが、トップGCのフィネスではなく、やや太く緩い。05的だが05の凝縮感やパワーに欠ける。小さな年のカベルネ比率の低めな左岸:Ch. Giscours 〇
Info: マルゴー最南部。CS53%ME42%CF+PV5%、新樽比率不明
 
2. Ch. Malescot St-Exupery 3em classe
Comment: 赤い果実、水仙。1より細身。1ほどオークが前面に出ない。酸中。タンニン抽出中、1よりおだやかで軽い。ミディアムフルボディ。暖かめのアルコール。長いフィニッシュ。
Conclusion: Very good. 1より複雑ながら、ややファンキーな揮発酸的香も。1と同じかやや若い。小さな年のカベルネ比率の低めな左岸:Ch. Palmer ×
Info: カベルネ・ソービニヨン50%、メルロ35%、カベルネフラン10%、プティヴェルド5% Ch. Margauxに隣接する恵まれた砂利土壌。リュットレゾネ。除草剤非使用。天然酵母。新樽80%~。無清澄、無濾過。
 
3. Pavillon Rouge de Ch. Margaux
Comment: 2と非常に似通った、締まった香り。酸はやや高めでタンニンは中。ミディアムフルボディ。中程度のアルコール。余韻は長め。新樽強い。
Conclusion: Very good+。やや素っ気無いところもあるが、素性のいい(唯一土壌に石灰の透明感を感じる)スタイリッシュなワイン。これから膨らみも出るだろう。カベルネ臭さはないが、この締まりとクールさはカベルネなのか? 小さな年の左岸:Pavillon Rouge 〇
Info: CS 86%, Merlot 9%, CF & Petite Verdot 5%(Ch. Margaux)、に選ばれなかった樽(=樹齢の若い区画や、各年の天候により振るわなかった区画)のブレンド。新樽100%、樽熟成は4-5ヶ月1st(18~24ヶ月)より短い。
 
4. Ch. Palmer 3em classe
Comment: トーストとコーヒー。濃い色の熟した果実の香り。酸中、タンニン中+。若々しくタイト。ミディアムフルボディ、アルコール中。眺めのフィニッシュ。果実味がやや落ちる印象。
Conclusion: Very Good-. 目立った欠点がある訳ではないが、魅力に欠ける。小さな年のカベルネ比率の低めな左岸:Malesco ×
Info: カベルネ・ソーヴィニョン種 47%, メルロー種 47%, プティ・ヴェルド種 6% 。新樽率45~60%

5. Rouzan Segla 2em classe
Comment: 鉄、コーヒー、黒系果実。酸中、タンニン強い。ボディ中+。アルコール中、ややone dimentionalで樽も浮く。中+の余韻。
Conclusion: Good.+ やや無理な抽出で魅力に欠ける。Rouzan Segla 〇
Info: カベルネソーヴィニョン54% メルロ 41% プティヴェルド4%、カベルネフラン1%。新樽65%18~20ヶ月