2012年3月4日日曜日

"メルルの会”雛祭特別ヴァージョン@目黒Argent

昨晩はフルーティスト山形由美さん主催のワイン勉強会“メルルの会”のお雛祭りスペシャルお食事会。プリンセスが日本に居た頃は、月1回拙宅でテーマを決めて勉強会を行っていましたが、オーストリアに渡ってからは、帰国の度にスペシャルお食事会をしています。
今回は、目黒中町のフレンチ“アルジャン”で、勉強の成果を試すため、各自セレクトしたワインを持込んでお雛祭りを祝おう、という趣向で行われました。

最初の泡、Franciacorta Rucci Crrustro Roseは由美さん持参。綺麗なサーモンピンクがお雛祭り気分を盛り上げます。ピノとシャルドネが半々というこのスプマンテは、マイルドな気候のためか、ドサージュに頼らない熟したベリーの自然な甘やかさとシャルドネ由来のソフトなミネラル&上品さが魅力。お店のスペシャリティであるマグロのタルタル(秘密のレシピ。香草使いが見事)と海鮮サラダ(鮮度抜群魚介の宝石箱の趣)の味わい&ビジュアルを華やかに彩ります。



次はプリンセスがスーツケースに入れて持ち帰った、お城ワイナリーのGobelsburger Riesling Urgestein ゴベルスブルガー リースリング ウルゲシュタイン。ヴィンテージは、まだ日本には殆ど入っていない2011年。銘醸畑の若木のブドウ主体のこのワインは、溌剌とした白い花のアロマが素晴らしい! 海鮮サラダとハマグリのチーズ焼きの美味しさが倍増します。昨晩の最廉価ワインながら、前後を囲む銘酒たちと比較しても、そのピュアな魅力はキラリと光っていました。(ひそかにほくそ笑むプリンセス: )



大人の魅力を漂わせる音楽事務所代表土屋さんの持込みはMarc Colin St Aubin 1er  Les Combes 2001。前のワインの初々しさと好対照の、熟成から来るはちみつのタッチと多層的旨味がとっても贅沢な個性。余韻も非常に長く、紛れもない一級品の味わい。さて、ここでワタリガニのトマトクリームパスタ登場。カニとトマトはリースリングの得意領域。クリームは断然ブルゴーニュのオハコ。さて、どっちの相性が上? …結論として、パスタにピリっとスパイシーなアクセントがあったため、リースリングの方がよく合いました。
あー、最初の鮪のタルタルの写真を撮り忘れた!!!
そして隠れ酒豪の呼び名も高いピアニストの林さんセレクトのTollot Beaut Beaune Blanches Fleurs 2007  …そうそう、こういう小作りで透明感溢れる品の良さはBeauneならでは!07らしいチャーミングな味わいは、 地鶏のローストと出会うと、内なる野性味や官能をほんの少し漂わせます。そして添えられたマッシュルームに合わせると、あら不思議! 強さとは無縁の個性を持つワインが、キノコの内向的で強靭な旨味を十全に引き出してくれます。

facebookでは可愛い猫の写真でお馴染みのピアニスト小柳さんのワインは、Ch Lagrange 2006。ミディアム・フルボディでキメ細かなタンニンが強過ぎず弱過ぎず、酸と果実味も完璧なバランス。典型的"the Grand vin du Medoc"な、端正ながら人あたりの良い味わい。仔羊が持つ微かな青草&ミルクっぽい風味とボルドー・ブレンドのハーバル&黒&赤ベリーのニュアンスが絶妙な組み合わせで、心もお腹も大満足!

〆は再び私の持込み。丁度10年前、プリンセスが最初にオーストリアからネット購入したワイン最後の1本! Kracher Welschriesling TBA 1998 (No.4)です。紅茶を焙煎したような「まるで教科書!」な貴腐香と、高い残糖をサラリと飲ませるだけの高い酸。クレメ・ダンジュ、洋ナシのタルト、クレーム・キャラメルの3つのデザートの中では、断然濃厚なクレーム・キャラメルにぴったり。ヴェルシュリースリングの貴腐独特の香木のような落ち着いた風味が、デザートの甘味を数段深いものに変え、このワインの底力を示していました。

すっかりいい気持ちになったところで、一番面倒な会計は、いつも由美さんのファンクラブを仕切る村山さんの担当: ) お疲れ様です!

ところで昨年7月、メルルの会は震災地支援チャリティー・コンサートを行いました。3.11から間もなく1年になりますが、あの地震と原発事故をきっかけにオーストリアに渡った人間として「欧州をベースに私の暮らしが成り立つ限り、細々とでもせめて年に一度くらいは、自然の猛威と科学技術盲信の犠牲になった多くの人々のために、何かを続けて行きたい」というプリンセスの気持ちを、会のメンバーに投げかけてみました。皆さんそれぞれ非常に忙しく、また様々な震災支援活動を継続されている、それに加えてのプリンセスからのお願い、ということになります。それでも皆、前向きに検討してくれるそうです。

うまくメンバーのスケジュールさえ合えば、私の次の帰国時、7月に第2回の震災地支援チャリティーができる予定です。皆さん是非いらして下さいね!