我が
お城ワイナリーの名物ワインに“トラディツィオンTradition”があります。
当主ミッヒーが“
僕の趣味プロジェクト”と言って憚らない、真底シュミシュミなワイン。
簡単に言えば、彼が引き継いだツヴェッテル修道院所有のワイナリーが、その
設立(12世紀)から1960年代初頭まで変わらず行っていた製法を、ベアトランド神父の記憶と、お城に残る古文献をもとに蘇らせたグリューナーとリースリングです。
今日はトラディション用のブドウ(19日収穫)を20日午前中にプレスしている様子を
本邦初公開!
ひょっとすると世界初公開?
わかるヒトにはわかる、現代的白ワイン製法とは大きく異なる、非常に
ユニークな秘伝を捉えた瞬間です。製法の詳細は、収穫が落ち着いたらカーナーさんに写真を見せつつ解説してもらいましょう。
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前日に収穫したガイスベアク畑のリースリング。 |
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このように極軽くクラッシュした状態で一晩放置(天然コールドソーク)します。除梗はなし。 |
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普通コールドソークは嫌気的状況で行いますが、トラディツィオンの場合は空気に触れ放題!
左手前のブドウなど、かなり酸化しているのが外見からも明らかです。 |
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ブドウは最新テクノロジーの粋、ヴァーティカル・プレスで絞られます。
梗が一種のフィルター&圧力緩衝材の役割をするので、ブドウにとても優しく、尚且つ果汁は非常に澄んでいます。 |
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コールド・ソーク中のプラ箱ですが、カーナー氏の手元をご覧あれ。ホースが差し込まれています。 |
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このホースにはコールド・ソークしているプラスティック箱にたまったフリーランが流れるようになっています。 |
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ホースの行き先は、下の階に置かれたオーストリアン・オークの大樽。 |
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コールドソークのフリーランと、プレス機からの果汁の両方が、大樽に流れます。
果汁清澄作業は一切なしで自発的発酵を待ちます。 |
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初回プレスの搾りかす(cake)は集められて再度プレスにかけられます。 |
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プレスで圧縮されたブドウの上に写真の圧力分散&果汁浸透マットを置き、
下の写真のように新たなブドウを上に入れます。 |
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こんな風にコールド・ソークしていたバスケットのブドウを移します。 |
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プレス籠を定位置に収めるにはテクが必要なようです。 |
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プレス中。順調に果汁が流れるようにホースの向きやバルブをチェックするカーナーさん |
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搾りかすとは言え、プレスが弱いので、まだジュースをふんだんに含んでいます。
なので、これを再度プレスにかけるわけです。 |
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ひとつの作業工程が済んだら、必ずこうして綺麗に洗い流すのがお約束。とても重要なことです。 |