2011年10月9日日曜日

初日はちょっとガッカリ…だった             ワークショップ@ガイゼンハイム

美しいシェーンボーン城の夜景
923日から3日間にわたって行われた、かの有名なガイゼンハイム研究所で行われたMW student & Weinakademiker(ドイツ語圏のMWと言っておきましょう) Workshopの様子をざざっとご報告します。
まず23日ですが、電車が大幅に遅れた上、駅からの道に迷いに迷い、目指す講義の終わり近くに会場に到着。ドイツの電車はフランスやイタリアと違って時間に正確か、と思えばさにあらず。ほぼ毎日遅れるのが当たり前、という状況でした。これも地球温暖化の悪影響?
それはさておき、一応講演は英語なのですが、早口のドイツ語訛で非常に聞き辛い上、何せお題がピノ・ノワールのルートストック違い。しかも大きな会場の一番末席では、OHPで映し出された表やグラフも読み取れず、残念ながら全く話についていけぬまま、終わってしまいました。

次の発表はガイゼンハイムの博士号論文研究で、ピノのクローン違いについて。これは楽しみにしていたのですが、学術研究ってそんなものなのでしょうか。手順などが極端に厳密な割には、結論はごく控えめ。随所に若い女性ならではの細かい手業とユーモラスな工夫が見られ、前の発表よりはずっと楽しく聞きましたが、結局わかったのが「各クローンの成長速度や糖度の違いは、各区画の土壌、向き、標高、斜度、樹齢、台木、該当年の天候、など様々な影響もあり、クローン単体の性質と言えるかどうかは、不明ということが判明した」みたいな感じで、欲求不満が残りました。
一見整然と並んでいるかに見えますが

試飲が始まると、カオス状態

続いて前の2研究を受けた、ガイゼンハイム研究所所有畑で育てたルートストック違い、クローン違いxヴィンテージ違いのブドウから試験的に造られたワインの試飲がありました。
こういう試飲会をする度に思うのが、『日本人ってものごとを整然と表示する能力が抜群だな』ということ。往々にして海外のテイスティングでは、ワインに番号も振っていないし、テイスティング・リストの順番と並べられたワインの順番は違っていて当たり前だし、大体テイスティング・リストなんかないことも多いし、テイスティングする側も、ワインを置いてあった場所に戻そうという意識が全くない
呪文のごとき台木やクローン名がタイプ(それも小さな9ポイントくらいの字で)してあるラベルしか貼っていないボトルが目茶目茶に並べられ、しかもリストもなしという状況では、何を味わっているのだか、さっぱりわかりませんでした。…というのが真相

何を味わっているかの手掛りは、列の端に置かれたこのA4の紙2枚と、
各ボトルに貼られたラベルに記された9poit程度の小さな文字のみ。
しかしさすがはMW候補生とヴァインアカデミカーの面々。味わっているワインが何だかわかっているのか、いないのか、皆粛々とテイスティングを進めて行きます:)

お城についた途端、”ドボチョン”という言葉が何故か浮かびました:)
夜はガイゼンハイムの街にあるシュロス・シェーンボーンSchloss Schönborn(ワイナリーGraf von Schönborn当主のお城)で、VDPバーデンBadenのテイスティング。バーデンはどう考えても一線級のワインが出ていませんでしたが、ご当地グラーフ・フォン・シェーンボーンのワインが思いの外よく、特にマルコブルン リースリング エアステス・ゲヴェックス Marcobrunn Riesling Erstes Gewächs 09は、ドイツならではの突き抜けるような酸とそれによくバランスした、ラインガウらしいたっぷりとした甘みが魅力的で、それ単体でも、またチーズのお供にも最高だったのが救いでした。
一帯には由緒ありげな建物が並びます。

VDPバーデンの会長はガイゼンハイム卒業生。

通常一般見学お断りの城内。さすがに格調が高い晩餐の間。

上席にはMW, MW student, Weinakademiker達。プリンセス他無冠の参加者達は末席へ:)
…というのは嘘ですが、知り合いが殆どいなかったので、ちょっと寂しい晩餐でした。
そんなこんなで、ややクタビレ儲けの感の強い初日でしたが、2日目の講義は素晴らしかった!
なんと全てドイツ語でありながら、プリンセスをしっかり惹きつけたDavid Schwarzwälder氏迫真のレクチャー報告は、また明日以降のお楽しみ、ということで。

明日からまた学校でルストに入ります。