2012年12月18日火曜日

親友の還暦祝@ミシェル・ブラス トーヤ・ジャポン

話は1カ月以上前に遡りますが、今年収穫のフィナーレを見届けずに日本へ帰国したのには、実は訳がありました。
豪シドニーで暮らす親友の還暦祝いを、洞爺湖のミシェル・ブラス トーヤ・ジャポンで、ミシェルご本尊が腕を振るうフェア期間中に行うためだったのです。
車の運転のできないプリンセスにとって、ライオール本店を詣でる機会はまずないでしょうし、本店のソムリエや近隣の御贔屓ワイナリーらも伴うフェア期間に洞爺湖店を訪れ、ついでに禁断症状気味の新鮮な魚介を、帰国直後に北海道でタンマリ注入しておくのも悪くない、という判断で、誘いに乗ることにしました。
彼女の60才の誕生日祝いとして、ドイツのポート専門店で彼女の生まれ年、1952年のKopke Colheitaを購入。オーストリアより持ち返りました。
さて、なんだか無用にただっぴろいザ・ウィンザーホテル洞爺のミシェル・ブラスに入ると、フェア期間中ということで、テーブルに通される前にガイヤックから遥々やってきたBernard Plageolesベルナール・プラジョールのワインが、生産者本人と本店のシェフ・ソムリエであるSergio Calderonセルジオ・カルデロンの解説付きで振る舞われます。
南西フランスということで、当然ワインは赤が中心だとばかり思い込んでいたプリンセス。ライヨールの辺りは白主体と聞いて、なんだか嬉しくなります。しかもモーザック種からの軽い辛口はなかなかいいミネラル! ミュスカデルの甘口も、アウスレーゼ程度の貴腐混じりで、とっても自然な癒し系のお味。
お食事については色々なところで嫌と言う程書かれているので、繰り返しませんが、素材を生かすシンプルで清らかな料理は、今でこそ逆に王道のように見えますが、彼がこうしたスタイルを創造した頃にはさぞかし独創的だったのでしょうね。
また、料理を食べてみて、この地のワインは白が主体である、というのが妙に腑に落ちました。。
…というより、白主体のテロワールが生んだ必然的な料理スタイルである、と気付きました。
残念だったのは、せっかく本店のシェフ・ソムリエ氏が来日していながら、テーブルでは彼のサービスが一切受けられなかったこと。
とは言うものの、トーヤに常駐の仏人ソムリエと仏で収穫も体験したという日本人ソムリエのサービスも十分に寛げるものでしたし、フォワグラが出たところで、食前に試飲したミュスカデルをグラスでオーダーできるかどうか打診したところ、”そんなに素晴らしい提案は、合わせてみない手はありません、マダム”とかなんとか如何にもラテンなノリで、なんどグラス3人分をサービスで持ってきてくれました。
こういう応対にこそレストランの余裕みたいなものが現れますよね。
バジェット・コンシャスな主賓のために選んだワインはこれ :)
主賓の友人にはバースデーケーキならぬバースデー飴細工がサーブされ、蝋燭を吹き消す彼女はとても嬉しそう。こちらもなんだか暖かい気持ちに包まれます。
テーブルに出て来て下さったミシェル・ブラスご本人は、年を重ねて枯れてこう変化したということなのか? と訝りたくなるほど、三ツ星レストランターにありがちな、良くも悪くも超個性的でギラギラとエネルギッシュなところの欠片もない、とってもしなやかで物静かな優しさ溢れる、心の透明そうな方でした。
そして食後には再びバールームで、Laurent Cazottesローラン・カゾットの蒸留酒がより取り見取り…。うーん、食前酒もワインもたっぷりいただいた後だけに危険…。
とは思いつつ、やはりひと通り試さずにはいられないプリンセス : )
特に桜の花びらのシュナップスが、まるで桜餅のような香りを湛えていて…来シーズンこそ3年ぶりで観られそうな桜に思いを馳せながらいただきました。
心温まる夜でした。