2012年4月19日木曜日

日本より謎の一団来訪…エアステラーゲ・ワインの日本輸入も近し?

今日は午前中は日本から、午後はあのシュタット・クレムスの技術陣が、お城ワイナリーを訪れました。
午後の訪問は、ウチの醸造栽培長のカーナーさんが、シュタットクレムスのフリッツ・ミースバウアーを迎えるという、謂わば花形ヴィンツァーから花形ヴィンツァーへのテクニカルな説明がどういうものか興味深々でしたが、独語の方言で醸造機器動作詳細について解説されても、プリンセスの理解度は心もとない限り。情報量極小なので、午前中の訪問客について書きま~す!
週に一度のtop up作業を見学。週に500ml/樽も減る、との説明に驚く我々。
しかし後からカーナーさんに聞くと、そこまで減るものはまずない、とのこと。
日本からのお客様は、アンドラ・モンターニュのS怪鳥、すみや亀峰菴のY女史&I野氏、プリンセスの旧い友人で蕎麦流石のChちゃん、そして謎のオーストリア人インポーターT氏、という濃い面々: )
生憎ミヒャエルが海外出張中であったため、夫人Eva方の継父ペーターとプリンセスの二人でお相手。お城とセラーを見ていただき、ロゼなど一部を除いてほぼ全てのワインを味わっていただきました。
楽しかったのがペーターお得意の、オーストリアの歴史とワインに合う料理の話。歴史はプロはだしだし、食へのこだわりにはIBMのプロマネとして世界中を飛び回り、世界中のソウルフードから美食まで食べ尽くした経験が生きます。と言っても正調ワインテイスティング的には、ハッキリ言ってムダ話 : )…でも、これが深くて熱いんです! ワインオタクには歓迎されないでしょうが、今日のメンバーは、ペーターの“熱さ”に触発されて逆にどんどん“濃さ”を倍増。もう、うるさい、うるさい! 

和食とワインの話になると、I野氏がお土産に持参してくれた"イカ墨まぶしのスルメ"をご開帳。

>>>前にプリンセスが金沢の巻鰤とリースリング・トラディツィオンの驚きの相性(全然生臭さが出ない)について書いたのを覚えてくれている読者はいるかなぁ?

で、今日はそのイカ墨まぶしの真っ黒なスルメ(かなり臭しGV Traditionトラディツィオンを合わせてみました。
果たして、GV Grubグループでは後味に生臭味が出るのに、トラディツィオンでは全く気になりません。

>>>これも前のブログに書いた、鯖鮨にHirschヒルシュのRiesling Gaisbergガイスベアクはバッチリ合ったのに、次にうちのGV Rennerレンナーを合わせたら、悲しいことに生臭みがドドーン、と出てしまった話も覚えてくれていますか?

次にリースリングに移ると、クオリティー的には最もベーシックなRiesling Urgesteinウルゲシュタインですら、GV Traditionよりさらに格段上等の、と言うよりは、あまりに自然にスンナリと、イカ墨スルメにリースリングが合うことに、我々は驚きを禁じ得ませんでした。

そして赤。プリンセスが「新樽&抽出が強い」とカーナーさんに堂々とイチャモンをつけて顰蹙を買った、けれどオーストリアではとても評判の高いSt Laurentザンクト・ラウレント、そして〆にGV EisweinとRiesling TBAを飲んでいただき、「日本にオーストリアワインだけの寿司屋を作ろう」だの、「エアステラーゲものワンパレット即インデント輸入」などと盛り上がるだけ盛り上がったところで、テイスティングは終了。
「あんなにオープンで楽しい日本人グループは初めてだ。日本人は変わったのか? 
それともゆかりの友達だからか?」と後から尋ねられました : )
今現在お城住まいのプリンセスとしては、別に普通のことと言えば普通のことですが、かつて日本に居てこの国のワインとワインを造る人々に、遠くから大きな敬意(これは今も変わりません)と畏れに近い憧れを持っていた頃を思い出すと、こうしてこの国のトップワイナリーの家族とともに、日本からの大切なお客様にワインを振る舞い解説している立場に居る自分が、なんだかとっても不思議
もう夕方になろうという今になっても、その静かな、けれどひたひたとハートの深い部分に浸りくる感謝と感動の気持ちに満たされています。

ペーターありがとう! 訪れてくれた皆さんありがとう!