2012年5月7日月曜日

哀愁のブダペシュト

プリンセス、できれば土曜中にお城に戻りたかったんです。

…というのは土日にトラディツィオンス・ヴァインギューター主催のイベント"Tour du Vin トゥール・デゥ・ヴァン"がドナウ一帯のトップワイナリーにおいてスタンプラリー形式で開かれており、いつもお城ワイナリーにお世話になっている私としては、こういうときくらいお手伝いしなかったらバチが当たる、というもの。
なので、土曜の晩にトカイからブダペシュトに戻る時間如何では、そのままウィーンへの汽車に飛び乗ろう、と思っており、最終日はホテルを予約せずにおいたのでした。

けれど戻り時間の目鼻のついたのが、木曜の晩。お城はおろか、ウィーンにすら戻れる時間ではありません。なので木曜の夜中の時点で、booking.comで土曜の宿を取ろうとしましたが、中心街で予算内で泊まれる部屋は、ひとつしかありませんでしたNo choiceです。
加えて、またいつものことで、予約したホテルと「予約した積りになっていた」ホテルが違っており、そのため4泊分の荷物&講義資料やら何やら&トカイで購入したワイン4本、を引きずりつつ1時間以上ウロウロするハメに…。道を尋ねようにも、英語はなかなか通じません。プリンセス、自慢じゃありませんが、ハンガリー語はイーゲン(yes)以外、アイウエオすら解しません…。

ああ、でも、ウロウロくらい今思えば可愛いもの
ようやく夜10時過ぎになんとか辿り着いたホテルは…

高速と大通りが交差し、物乞いなども散見される、イヤーな感じの立地。
●ホテルのある建物の下は浮浪者一歩手前風の男どものたむろす、猥雑な一角
●フロントのある5階までのエレベーターは超狭。プリンセスとカップル客が一緒になると、閉所恐怖症のプリンセスは、血の気が引く位、半端ない圧迫感…
●フロントで明日の朝食は朝発つ時間が早過ぎて食べられないことが判明。
●フロントから部屋までは階段。エレベーターはなし

でも何よりもプリンセスが泣きたくなったのは…
●部屋に入った途端、ク、クサイ!!!!! ドブ臭い…
●しかも目と鼻の先が高速。当然うるさいので窓を閉めたいけれど、臭くて臭くて閉められたものではない…
●バスルームには石鹸やシャンプーがないのはもちろん、バスタオルすらなく、雑巾か?と思うほど薄汚い、端のほどけたハンドタオルが一枚…

随分色々なところを旅しましたが、おそらく人生最悪の宿…。もう少し時間が早くて疲れていなければ、予算なんか関係なく、もう1泊分ドブに捨てようがなんだろうが、別のホテルを探しましたが…
もう疲れ果てて、そういう気持ちにすらなりませんでした

今回のハンガリーは、授業、特にワイナリー訪問は大充実(後日のブログで報告します)でしたが、宿と足に最初から最後まで悩まされ通し

ああ、クサい、もうたまらない!!!!
このままでは眠れない…と思い、冷蔵庫に入ったハンガリー名物のパーリンカ(強いシュナップス)を呷って、高速の騒音消しにテレビの音楽チャンネルをつけっ放しに、眠りにつこうと努力…

ところが翌朝、何せ悪臭と騒音でほとんどきちっと眠っていないのですが、
●フロントから、「電車の出発まで30分だけど、出なくていいの?」と部屋に電話が入りました。→実はプリンセス、フロントに電車の時間を伝えておきながら、自分では6:05分出発を、どういう訳か6:55出発と、またまた得意の勘違い!
●しかも慌ててフロントに降りると、「僕が朝食を作っておいたから」と大きなビニール袋を渡してくれました。
へえ、ハンガリー人って優しいじゃん

そんな訳で、プリンセス、大荷物の上になんだか大振りな朝食バッグを携えて駅へ駆け込みました。昨晩は逆方向から来たので気づきませんでしたが、なんとブダペシュトの一番大きな駅が、目の前!!! (ああ、あの怪しさは立地のせいだったのね…) お蔭で時間の勘違いにもかかわらず、滑り込みセーフ! 缶ビールを買って、出発と同時にフロントのお兄ちゃん手作りの朝食をいただいたのでした。ええ、昨晩は結局疲れ過ぎて何も食べる気になりませんでしたから。
チーズとサラミを挟んだバンズ2つとストロベリーヨーグルト、そしてオレンジジース…。
ハンガリ―人の温かさに触れた思わぬ朝食で、お腹一杯、胸も一杯。
ビールも飲んで、ウィーン・マイドゥリングまでしっかり眠りにつきました。
プリンセスの目に感謝の涙が浮かんだことは言うまでもありません。