2013年1月25日金曜日

ようやく逢えました! ウヴェ・シーファー2度目の訪問 序章

ウヴェを訪ねるのは2度目――前回は2009年の春、拙著の取材時。例によって、ざざっと畑を回って、セラーを見て、テイスティングをして…全てを合わせて2時間程度、という強行軍でした。

プリンセスにとって、このウヴェ・シーファーUwe Schieferは、赤の生産者としてはモリッツMoric同様、オーストリア訪問の極初期から、“エレガント・ブラウフレンキッシュ”の双璧で、そのワインを日本にご紹介したいイの一番の生産者だったのです。畑をじっくり見せてもらいたいトップ・プライオリティーの生産者だったのです。

ところが彼の所有畑はたった3ha(リースを含めるとようやく10haを超えましたが)。そのカルト人気はある意味モリッツより高いため、特にそのフラッグシップの畑ものワインは、リリース前にほとんど予約で完売してしまう、という事実をこちらに来て彼と電話で話をし、初めて知りました。
しかもワイナリーはズュドブルゲンラントの辺鄙な町にあり、カンプタールからとても遠い…。
加えて、10年ヴィンテージが量的に極端に少ない年であったため、プリンセスがこちらに来た昨シーズンは下のクラスですら売るワインがない、ということで訪問が伸び伸びに
更にダメ押しで、昨年秋からウヴェが原因不明の病気に罹り、結局今年になってようやく訪問叶った、という訳です。

いやあ、長い道のりでした…。
でもって、ここゴーベルスブルクからウヴェの住むWelgersdorfまでが、また長~い道のり:)

ようやく訪問の約束を取り付けた前日、ÖBBのサイトをチェックしてプリンセス、ため息をつきました…。
電車がない…。
ウヴェに電話をすると、「簡単だよ。ウィーンからバスでグロースペータースドーフまで来れば1本だから。そこまで車で迎えに行くよ。」と言います。
なんとかバス路線の当たりをつけ、午前中10時過ぎの到着を目指します。当然家を6時頃には出ることになります。
まあでも、こういう僻地への乗り継ぎが予定通りに運んだことはないので、予定のバスを乗り過ごす可能性も高い。そこでウヴェには、10時10分か、次の1時間後のバスに乗って11時10分にGrosspetersdorf着になるから、明日朝にバスに乗ってからSMSするから、とメールしておきました。

お昼を奢れ、と強要しているような訪問時間ですが、朝一から訪問しようとすれば前日に近くに泊まらねばならないし、午後から訪問したのでは、その日のうちにお城に帰り着きません…。
ああ、重ね重ねエレガントでない…。

そして果たして、ウィーンからの直通バスは一日1-2本しか出ておらず、この時間だとウィーン郊外で長距離バスに乗り換えねばならず、その乗り換えで見事に最初の予定のバスは乗り過ごし、ある意味予想通り、11時10分Grosspetersdorf Rathaus到着予定のバスに乗り込みました。

こちらのバスは日本のバスほどアナウンスが懇切丁寧ではない…というか、わざわざ次の停留所を教えてくれないのが普通なので、乗るときに予め、「Grosspetersdorfに着いたら教えてね」と言って座ります。
乗り込んでみれば、おお、本当に長距離レジャー仕様バスだぁ! ボックス席では何やらハンガリー人商人らしき夫婦が、テーブルにお札を広げて金勘定を始めています:)
わかりずらいですが、手前はボックス席になっていて、
窓もパノラマ一枚ガラスの完全長距離仕様
そして1時間半以上バスに乗ったでしょうか。運転手が「Grosspetersdorfのどこで降りるの?」と聞いてきます。早速ウヴェに電話して「Grosspetersdorfのどこで降りるの?」と鸚鵡返し。
Uwe: ちっちゃな町だからどこでもいいよ
Princess: …と言われても、どこか言ってくれないと、降りられないんですけどぅ…

てなやり取りがあって数分後、目出度くUweと出会うことができました。

ところがUwe、握手をするなり凄い咳! なんだか目も窪み、いかにも具合が悪そうです。
「病気はまだ悪いの?」車に乗り込むなり、一番気になっていたことを聞いてしまいました。
Uwe: いや、病気は随分よくなったんだ。ただ、大風邪を引いてね。こんなコンディションで申し訳ないんだけど…。
Uwe Schiefer。自慢の畑Szapariにて。
やはり病み上がりは隠せません。
P: いえいえ、申し訳ないのはこちらの方。言ってくれたら今日でなくてもよかったのに…。それで病気って一体何だったの?
Uwe: うーん、それが不思議な病気で、風邪のウィルスが神経を冒した、って言われているんだけれど。平衡感覚はなくなる、本はちゃんと読めない…だから車も危なくて運転できなかったんだ。一時はそれで疲れるし、落ち込むし…。だけど僕には家族もあるし、落ち込んでばかりはいられないだろ。少しずつでも治さなくちゃ、ってリハビリに通い始めたら、随分よくなったよ。
P: あーよかった! だけど去年のブドウはどうしたの? 
U: 具合が悪くなったのが収穫を終えてからだったし、ちゃんとしたブドウさえ収穫してあれば、あとはそんなにやることもないし、毎年一緒に作業している家族と仲間がちゃんとやってくれたよ。

そんなことを話すうち、車はアイゼンベアクの入り口に到着しました。
では、次回は畑巡りの様子をお届けします。お楽しみに!