2013年2月17日日曜日

ピットナウアー訪問記 その1 ゴルスへ

プリンセス、オーストリアワインを日本にご紹介する立場になって、今年で9年目になります。
思い返せば結構な数のワイナリーを日本市場に橋渡しして来ました。
そんな中、おそらくワイナリーを訪れてから最短速度&最少インフォメーションで日本のパートナーを見つけることができたのが、このPittnauerピットナウアーです。
何せワイナリーを訪れたのは一度切り。しかも別のワイナリーを訪ねる途中に立ち寄っただけで、滞在時間は畑見学とテイスティングを含め1時間程度。
…でもプリンセス、3つ目か4つ目のワインを味わいながら既に確信していました。「このワイナリーは買いだ」と。なので初対面から1時間と置かず、アタフタとお暇しながら日本での試飲会向けのワインを手配していたのを思い出します。
今ウィーン中の基幹駅がこのようにモダンにリニューアル中
ワインを市場に橋渡しするのに何が一番大切か、と言えば――勿論質は基本ですが――、その上で要は、ワインが「売れるか、売れないか」を見抜くこと。そしてそのワインが「誰を喜ばせられそうか」を具体的に想定すること。いいワインと売れるワインって、実は同じではありません。
また、そのワインを造っている人物が、今後長きにわたってワインの「品質とキャラクターを安定的に維持向上させて行く能力があるかどうか」&「取引上降りかかる様々なトラブルや困難を一緒に切り抜けて行けそうな人物かどうか」を、会話から見抜くこと、…でしょうか。

ピットナウアーの場合、とっても自然に、全てに楽にYESが出たが故に、プリンセスの心づもりが固まるにも、パートナーを見つけるにも時間を要しませんでした。

けれどそれ故、プリンセスのデータベースはがらんがらん:) これではいかん…

…という訳で、初回訪問時にはワイナリーの後ろをチョロっと歩いただけの畑と、全く覗く時間もなかったセラーをちゃんと見せていただだき、またヴィンテージの入れ替わったワインと、今後どの辺りの上級クラスを日本に持ってくるかの見極めのためのテイスティングをして来ることにしました。午後をフルに使ってワイナリーの全貌を捉える予定です。
中途半端な時間にゴルス駅に着いてしまったため、町のどこかで簡単に昼食を取れる場所を探します。何の事前調査もしていませんが、ゴルスはランゲンロイスと並んでワイナリーの集積する町ですから、昼くらいは食べられるでしょう。まあ、オーストリアの田舎町の場合、教会の尖塔を目当てに歩いて行けば、必ず町の中心部に出ますから、そこら辺りをぶらつけば何か見つかるだろう、という読み。

案の状、教会の立つ大通りに出ると、ちゃんとしたレストランからカフェ、自然食屋風…結構色々並んでいます。一人ですから、一番簡素に見えた肉屋併設のイートインへ入って日替わり定食をいただくことに決定。Gebratene Schwein、その名も焼き豚!に、ライスかサラダが付く構成。サラダは5-6種類の中から2種選べるという嬉しい計らい。例によって盛り付けられた時には、そのヴォリュームに辟易としましたが、食べてみると「さすが肉屋!」な美味しい肉で、プリンセス完食:)。
焼豚というより、煮豚って感じでしたが、
サラダ2種ついて€6かそこら!
ドイツ語圏のソーセージのヴァラエティの豊かさと美味しさは
何気に町屋風情。いかにも職人の集う町の趣
なんとパン屋と郵便局が共存…不思議な業態だ:)
このヴィノテークで待ち合わせ
まだ少し時間があったので、町歩きを楽しみます。…すると、Szigettiシゲティ、Jurisユーリスなどお馴染みのワイナリーが次々に目に入り…そして、一帯のワインがバックヴィンテージも含めて揃うヴィノテークを発見! ここを冷やかしながらピットナウアー夫人ビアギットに連絡し、このヴィノテークでゲアハルトと落ち合うことになりました。
これは地下。1階ではテイスティングができます。
ワイナリー訪問の前後に立ち寄ってみては?
では、次回は待望の畑巡りの様子をお届けします。お楽しみに!