2013年2月25日月曜日

プリンセス退位の辞

読者の皆さん、
今日は”ピットナウアー訪問記 その5”をお送りする予定でしたが、重大発表がありますので、お知らせします。
私、本日をもって、プリンセスを退位することとなりました! 
はい、お城を出て独り立ちします。
全員集合…2年近くにわたって、本当にお世話になりました。
お城で過ごしたこの2年間、色々なことがありました。
予期しなかった出会いや驚きに満ちた日々でした。
オーストリアを代表する生産者達を訪ね、畑を見せてもらい、対話をし…それが日常になる、という夢の中を、生き続けています。50歳を過ぎてこんなに刺激に満ちた生活を送っていることを、本当に奇遇だと、そして幸せだと思います。

もちろん、元々計画した訳でも、食い扶持の宛てがある訳でもないままの移住だったが故に、いいことばかりではありませんでした。トラブルは当たり前。なんとか見えた希望が、目の前で崩れ去るような事件も数知れず…。
プリンセスのため?に日曜の昼は当主ミッヒのお手製
そして旅立ちの朝、ゴーベルスブルクは雪景色。
ここ数週間、あまりに忙しくて感傷的になっている暇もなかったのですが、さすがに今になって何か胸に迫るものがあります。

震災と原発事故の影響を心配し、「こっちへおいで」と声をかけてくれた数多くのワイナリーや業界の友人、中でも「いつまでも好きなだけいてもいいから」と言ってくれ、本当に今日まで足かけ2年近い日々を家族として私を遇してくれた”お城ワイナリー”ことシュロス・ゴーベルスブルクの当主ミッヒ&エファ・モースブルッガー夫妻、子供たちヨハネス、アナ、ルイーゼ、そしてエファの両親のペーターとイルゼ、ワイナリーのカーナーさんとエレーナ、オフィスのヴォルフガング、フレディ、エヴェリン、ビアギット、バーバラ、ウェアハウスのユルゲン、畑のクリスティーネ、使用人のアナ、エラちゃん、ヘアマン、ミンキー…ああ、きりがない…に対し、心から感謝の気持ちを捧げたいと思います。Vielen Dank!!
そしてテーブルの下にはエラちゃん:)
”ヴィンツァー達の頭の中が覗きたい、心の襞に寄り添いたい、と願いつつ決行したオーストリア住まい…。数ミリでも目標に近づいたのでしょうか? …いいえ、まだ何もできていないような気がします。
だから私は、お城を出てもこの旅を続けることを決心しました。ただ、この”お城ワイナリー滞在記”は、当然今日でお仕舞です。

…ああ、でもこのプリンセスの肩書き…手放すには惜し過ぎます。そこで、今日からは”キャラ”として、プリンセスを演じ続けることをお許し下さい。

そしてこのブログも、3月半ばをメドに、更にパワーアップして新装お目見えする予定です。

それまで引き続きこの滞在記を御贔屓に!
それでは皆さん、日本でお目にかかりましょう。