2011年11月30日水曜日

シュロス・ゴベルスブルク グリューナー6アイテム踏破ワイン会@トラットリア築地トミーナ

プリンセスの住んでいるお城ワイナリー“シュロス・ゴベルスブルク”は、辛口だけでも全部で10種類のグリューナーを造っています。
その中で日本に定番として輸入されているのは、寂しいことにたったの2種!
そこでこの日は、残りの8種類のうち、プリンセスが『是非日本に根付いて貰いたい』と切に願う、エアステラーゲ(単一畑のトップ・サイト)3種と、ワイナリー&お城を所有するツヴェッテル修道院伝統の製法を現代に蘇らせたワイン『トラディツィオン』の計4種+ツヴァイゲルトをお城からレストランに直送し、本場仕込みのイタリアンとの相性を楽しみました
ワインは左から;
1) Domäne Gobelsburg Grüner Veltliner Niederösterreich 2010 importer :Mottox
2) Schloss Gobelsburg Grüner Veltliner Steinsetz シュタインセッツ Kamptal DAC Reserve 2010 :Mottox
3) Schloss Gobelsburg Grüner Veltliner Grub グルップ Erste Lage Kamptal DAC Reserve 2010 : 未輸入
4) Schloss Gobelsburg Grüner Veltliner Renner レンナー Erste Lage Kamptal DAC Reserve 2010 : 未輸入
5) Schloss Gobelsburg Grüner Veltliner Lamm ラム Erste Lage Kamptal DAC Reserve 2010 : 未輸入
6) Schloss Gobelsburg Grüner Veltliner Tradition トラディツィオン Kamptal DAC Reserve 2009 : 未輸入
7) Domäne Gobelsburg Zweigelt Niederösterreich 2009 : 未輸入
冨山シェフはトリノの国立調理学校出身。グイードなどピエモンテの名店で修行されています。
では、ワインとお料理を振り返ります。
今回はワインの解説とサーヴをプリンセス一人でこなしたため、料理の写真は撮る暇がありませんでした。済みません。

1) まず、食前酒&全てを試した後のお代わり用として出した、希望小売価格で2千円を切る“ドメーネ”GV(一部買ブドウも含むお城で最もベーシックなワインのひとつ)のコスパの高さにプリンセス自身驚きました。とっても綺麗でチャーミングな核果風味にミネラルもあり、あらゆるお食事を引き立てるタイプ。前菜に添えられた野菜にもとてもよく合いました
2)  けれどやはりドメーネの後にシュタインセッツ”を飲むと、小石土壌ならではのミネラル感と骨格に格の差を感じます。贅肉のない旨みが、前菜の天然真鯛のカルパッチョとズバリの相性
3) 続く“グルップ”はハイリゲンシュタインの丘東端に位置する完全なレスの段状畑。小石のシュタインセッツとの、土壌による味わいの違いがはっきり(小石:キリッ。レス:フルーティーで円やかながら石灰由来の噛み応え溢れるミネラル感と余韻:所謂グラに溢れる)。粉砂糖まぶしのような厚みのある味わいが、やはり前菜に出たアナゴのテリーヌ バルサミコ風味とガップリ四つに組んだ印象です。
汚い絵ですが、お城ワイナリーと銘醸造畑、そして著名ワイナリー(Bründlmayer, Hiedler, Hirsch, Loimer)の位置関係がおわかりいただけます。

4) ガイスベアクの丘の麓にある“レンナー”片麻岩主体の原成岩を薄くレスが覆います。ご本尊リースリング ガイスベアクは黒っぽいミネラルとオレンジを思わせる汁気の多い果実味が持ち味。暑く乾燥した年にはしばしばハイリゲンシュタインをバランスで凌駕します。レンナー10年は酸が高いので、ちょっとリースリング的。スカンピのオーブン焼きとピッタリです。
5ラム”はオーストリアで最も名高いグリューナーの畑ハイリゲンシュタインの丘の麓にあります。その名の通りのローム土壌ですが、その下の岩が実にユニーク。隣り合った丘にありながら、地殻変動のため、ハイリゲンシュタイン(西)はガイスベアク(東)を含むこの辺り一帯と全く異なる年代の地層なのです。そのため、両者の味わいには土壌の違いが反映され、ハイリゲンシュタインは常にガイスベアクより強く、白っぽい目の詰まったミネラル感と堅固な骨格、火成岩由来の熱エネルギー感を誇ります。ラムとレンナーの差も前述のリースリング銘醸畑の味わいの差に準じますが、ラムの方が真南向きでしかも凹状なため、より暑く、しかも岩の上に積もったロームが厚いため、リッチで凝縮感溢れる味わいとなります。スカンピの味わいをさらに深め、胆やミソの部分と一緒に食べると益々好相性(このワインは濃厚なクリームソース仕立にもピッタリのはず)。そして、ポルチーニ茸のリゾットの旨みも倍増させてくれました。
ハイリゲンシュタイン、ラム、ガイスベアク、レンナー、グルップの位置関係です
お料理はリゾットの前にピッツァ マルゲリータが出ていますが、これは最初のGVをお代わりして合わせるのが正解
5) ブログでも製法をご紹介した、中世よりお城に伝わる伝統製法で造られた"トラディツィオン"は、その重層的凝縮感と角の取れた円やかさがポルチーニの旨みと共鳴したのは言うまでもありませんが、辛口なのに重厚な旨みがデザートとも十分対峙できることも、立派に証明されました。
6) ピノの遺伝子を1/4持つ、ピノ・ファミリーの末っ子とも言うべきツヴァイゲルトは、ややもすると泥臭くなりがちですが、さすがはお城ワイナリー! ピノ一族らしい品の良さを前面に出して来ています。ピッツァもスカンピもワン・グレード上の味にしてくれましたし、実際には合わせていませんが、アナゴのバルサミコ風味に実は一番合ったのではないか、とプリンセスは踏んでいます。それにしても、この品質で想定小売価格2200-2300円程度、というのは凄い!
GVと並んで、ワインを飲みつけたヒトの、家飲みやカジュアルな食事には最高の相棒となることをプリンセスが請け合います: ) !!!
ブログとFacebookで参加者を募った積りが…蓋を開ければいつもの面々です: )
料理もワインもたっぷり堪能。幸せそうな皆さん&プリンセス
トラットリアの冨山シェフ、スタッフの皆さん、そして参加者の皆さん、オタッキーな会を支えて下さり、本当にありがとうございました!