2011年12月25日日曜日

イエス様からの賜り物はケバブ?

昨晩は夜中の0時から教会で行なわれるクリスマス・ミサとコンサートに参加しました。絢爛豪華なカトリック教会のしつらえと音楽に浸るのが目的。素晴らしいオルガンがあると調べをつけた、St. ヨーゼフ オプ デア ライムグルーベ教会まで、例によってシティーバイク・ウィーンを使ってGo!
灯りはあります。でも、実はこのイルミネーションも9時で消えてしまいます…
驚いたのは、ウィーンイチのショッピング・ストリートであるマリア・ヒルファー通りの、人通りの少なさ。しかも時間は9時前後。「ウィーン子って0時のミサまで自宅で仮眠でも取ってるのか?」と訝るほど。


教会前のクリスマスマーケットもこの有様。ミサまで開けておかない、って日本人的には信じられない…

9時過ぎて道路のイルミネーションすら消えてしまった後の寒々とした街の様子は、写真にすらなりません…。
プリンセスは本当はミサ前に腹ごしらえがしたかったのですが、タカビーで騒々しそうなカフェバー1軒とトルコ系ファーストフード屋1軒しか開いていないので、キルヒガッセやノイバウ通りまで行ってみました。カフェで何かクリスマスっぽいスイーツが食べたかったのです。
…ところが、どちらも同様にシーン…。でもこのときプリンセスは「ミサが終わったら、まさか周囲のレストランも開くだろう」と高をくくっていました。

さて、ミサの様子はまた別の機会にお知らせすることにし、荘厳なミサを終え外に出ると、結局さっきから開いていた店以外、開く気配はまったくありません! 
…ったく、いくらクリスマスは家族行事だと言っても、ウィーンに独身者はいないのか? 夜遊びする若者はいないのか? 
もうプリンセスの空腹はミサの途中から限界で、お腹が鳴らないか気になって気になって仕方がなかったほど。やむなく一度パスしたターキッシュの、ファーストフード・スタンドのような店に入りました。

…ここはオーダーの取り方がすごい! 入るなり「はい、君もケバブ? あなたもケバブ?」って感じで、まあ、空腹塞ぎなので、メニューを解読し迷ってる手間が省けてよろしい

すると隣に並んでいた男性が「どこから来たの?」と声をかけてきた。「東京から」と私。「住んでるの? 旅行?」と聞くので、「住み始めたの」と返答。
彼「オーストリアにようこそ! で、どうして来たの? 海外に住むってことはラヴが原因に違いないね」(その前に地震後の日本を心配してくれましたっけ) 
普通プリンセスはこういうアプローチは冷たく無視しますが、何か人懐っこい物腰で悪い感じがしなかったし、ミサの後で心が清く寛容なっていたのか、そのまま話を続けました。

私「そうだといいけど。仕事なの」
彼「ああ、それは残念なことだ。で、何の仕事?」
この辺で確か我々のケバブの番に。中の具はどうするか、スパイスは入れるかなど、細かく聞いて来ます。それぞれ好みを伝えて、会話再開。
私「ワインジャーナリストなの。オーストリアワインが大好きで」
彼「え? そりゃあ驚きだ」(と言って名刺を取り出す。)「僕店をやってるんだ。ソムリエなの。ソムリエって言っても色々あって…」
込み入ったことになると途端に聞き取れなくなるプリンセス。ここから会話は英語に。
彼「信じられないな。日本からわざわざオーストリアのワインのために移住しちゃうなんて。君もよく知ってると思うけど、ヴァッハウとかカンプタールのワインは安くないけど、品質は素晴らしい」
ここでプリンセスがオーストリアワインが和食にぴったりだと話すと、
彼「僕は和食と他のアジア料理の違いがはっきりはわからないけど、僕にとって日本食は特別なものなんだ。」
この辺りでケバブが出来上がる。どういう訳か、彼は連れ(兄弟だと紹介された)と私の分まで一緒に支払ってしまう
私「そのカンプタールのシュロス・ゴベルスブルク、って知ってるでしょ? 私そこに今住んでるの」
彼「もちろん知ってるよ、そいつはスゴイ。でも何故?」
私「そのワイナリーを日本に紹介した縁で。ところで、ケバブ代いくらだったの?
彼「本当に信じられない! 僕にメール頂戴。色々なワインや面白い店を紹介したりできるし、何か知りたいことや困ったことがあったら力になれるから。ケバブ? たかがケバブだ。メリー・クリスマス!」…と、颯爽と店を後にしてしまいました。

そのケバブ、プリンセスはもちろん、涙が出るほど美味しくいただきました!
よく考えてみれば、ホテルのノー・ショー代で250ユーロほどすっているので、ケバブ1個恵んでもらったところで、砂漠に一滴の水状態には違いありませんが、なんだかミサのご利益がすぐ現れたようで : )、 いや、何かとても暖かい同志の心に神様の配慮で触れさせていただいたような気がして、心がホクホクになって、寒いクリスマス真夜中のウィーンを一人“タダチャリ”に乗り、帰途についたプリンセスでありました。

プリンセスが“地球にひとりではない”と強く感じる一瞬です。