2012年10月23日火曜日

ローラント・フェリヒ“モリッツ”――クオリティーの秘密に迫る その4 メチャ旨 ホームメイドパスタと驚きの03

ローラントの奥さんダグマーは、コケティッシュな魅力に溢れる楽しい女性。今ではプリンセスとはちょっとしたピアノ弾き友達です。
フェリッヒさんちの昼食風景
そんな彼女が忙しい合間に作ってくれた昼食は、ホームメイド・パスタのホームメイド トマトソース和え。トマトも自家製なら、ソースに風味を出すためにコマ切れにして入れてあるソーセージも実家フェリッヒさんちの自家製。
プリンセス、こういうシンプルだけれど旨味の詰まった料理が、涙が出るほど大好きです! しかも素材までオール自家製…これこそ最高の贅沢というものです!
この日はシューベルトのimpromptuで盛り上がりました。
そして、美味しいパスタと一緒に供されたワインは…。
「せっかくだからブラインドにしてみようか?」とローラント。

パスタですから、イタリアン? とも思いましたが、このダークベリー風味とタンニンのテクスチャーからして、ブラウフレンキッシュであることに間違いはないでしょう。
柔らかなタンニンはモリッツのもの。
かなり熟成しています。けれど、まだまだフレッシュで、とっても豊かな暖かい果実味。旨味一杯でめちゃくちゃ美味しい。
トマトにはもう少し酸が欲しいような気もするけれど、野趣溢れるソーセージからの旨味には、このワインのちょっと甘やかな風味がとても合います。
パスタもソースも、ソースに入ったソーセジも全て自家製! 美味しい!
Princess: あなたのワインですね?
Roland: Yes
P: 暖かい年ですね?
Roland: Yes

ここでプリンセス、06かそれ以前かで迷いました。06以前の暖かい年と言えば03。いや、まだ果実味が生き生きしているので、10年近くは行き過ぎでしょう――と思いました。また、クラスとしてはReserveと言いたかったのですが、その頃はまだReserveラインはなかったはずです…。いやでもAlte Rebenとしてはちょっと緩い感じがします。ただ、正直のところBurgenlandにこのレベルの熟成感は出せないだろう、とも思いました。難しいなぁ…。

P: 2006…うーん、Lutzmannsburg?
R: 答えは2003のBurgenland Blaufränkisch
P: ええ? こんなに若々しいんですか? 恐るべき熟成能力ですね!
R: うん、丁度パスタに合うかな、と思ってね。
まだ瑞々しい果実味溢れる BF 03。恐れ入りました。
いえいえ、これジビエとかにも十分行けます。
プリンセス、常々ブルゲンラントBFは、リリース直後は果実味が生々し過ぎるので、もう少し樽熟期間を長くした方がいいのでは?、と思っているのですが、この03はそれを証明してくれたかも
ベーシック・ワインとしては驚くべきポテンシャルです。若くして果実味を味わうのも悪くないけれど、プリンセスはこうしてしっかり熟成させて楽しむことを、断然お勧めしたい。

ローラントのピアノの腕前は…
この絵からなんとなく想像がつきますね : )
何故ベーシックなブルゲンラント ブラウフレンキッシュがここまで素晴らしい熟成ポテンシャルを持っているのか…。その理由は畑を見れば一目瞭然でした。
to be continued.